2024.06.13 半導体後工程で新工法 専用装置開発 「中間基板」不要、コスト低減へ 信越化学

新工法で作成した2層サンプルの断面写真

 信越化学工業が、半導体チップと基板を電気的に接続する「インターポーザー」の機能をパッケージ基板に直接盛り込める高性能なエキシマレーザー装置と新工法を開発した。半導体の前工程で用いられるデュアルダマシン工法を後工程用パッケージ基板に応用し、フォトレジスト工程を不要にするなどコスト低減と設備投資の抑制にもつながる。

 回路を個片化して1つのパッケージに収める「チップレット」が注目される半面、チップレット同士を接続するのに中間基板(インターポーザー)が必要になる。新工法「信越デュアルダマシン法」ではインターポーザーが不要になり、工程を大幅に簡略化できる。インターポーザーと同様の機能を有した配線パターンを直接パッケージ基板に加工・形成することにより、チップレット間の接続をパッケージ基板上で行う。

 新工法を用いると、現在主流のドライフィルムレジストを使用するSAP(セミアディティブプロセス)法では達成できなかった微細加工が可能。新装置は、自社製の大型フォトマスクブランクスを用いたフォトマスクと独自の特殊レンズの組み合わせで、100ミリメートル角以上の面積を連続で加工できる。

(後日電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)