2025.02.10 相談し辛い睡眠の悩み AIチャット「nemuso」におまかせ
麻布台ヒルズに展示しているnemuso
NTT DXパートナーは、検索拡張生成技術(RAG)を活用し、最新のエビデンスをもとに回答を生成する睡眠相談専用AI(人工知能)チャット「nemuso(ネムソウ)」を開発し、企業と自治体向けに10日から提供を始めた。
睡眠医学に基づいた商品開発などを手掛けるブレインスリープが監修し、睡眠資格のテキスト本約300ページのデータや睡眠専門医の睡眠相談のやりとりなどを学習し、独自に構成。
従来の生成AIモデルに比べ、不正確な結果や誤解を招く結果を生成するリスクを減らし、より正確な睡眠に関するアドバイスを受けられる。
人の睡眠の悩みを約15パターンに分類し、パターンに当てはまらない質問や悩みを生成AIの自律的思考の性質を生かして回答する。自然言語の理解が得意な生成AIのため、相談と質問ができる。
生成AIは、睡眠相談者とのヒアリング過程で複数の質問のやりとりをする。スリープテック事業部ビジネスプロデューサーの梅田貴大氏は「今はまだできていないが、より一人一人に適応できる開発も考えている」と、継続的な利用を目指している。
大規模言語モデル(LLM)は米オープンAIのGDPエンジンを使用。地域企業支援事業部兼スリープテック事業部の中村元マネージャーは「今後も利用者からフィードバックをもらいながら改良していく」とし、睡眠波形の画像や音声などの学習の構想も視野に入れている。
ネムソウは、パソコン(PC)やスマートフォンなどのタブレット端末で利用できる。導入目安は初期費用税別30万円から、月額費用は同15万円から。
東京都港区の「みなと新技術チャレンジ提案制度」にも採択され、3月2日まで、港区のスポーツセンター内と麻布台ヒルズ森JPタワー33階、34階内に無料体験できる専用ブースを設置する。
今回の設置は、港区の住民の健康増進や睡眠課題の解決に向けて、有人相談と満足度や利用率を比較したり、生成AIを活用した睡眠相談の有用性などを検証したりする実証実験の一環。
新しい技術を区に取り入れようとしている同区企画経営部デジタル改革担当課長・新技術活用担当課長の多田伸也氏は「事業者支援の側面もある」とする。