2025.04.10 プリファードネットワークスとENEOS、AI活用の材料探索ツール開発 計算速度2000万倍 メーカーの研究開発部門に提供

小澤技術営業部長(左)と川口シニアプロダクトマーケティングマネージャー

 人工知能(AI)の開発を手掛けるプリファードネットワークス(PFN、東京都千代田区)と石油元売り大手のENEOSが、AIを活用した材料探索ツールを開発し、さまざまなメーカーの研究開発部門に提供している。PFNの技術と計算資源が、計算化学の分野でも存在感を放つ。

 材料探索で威力を発揮するのが、PFNとENEOSの合弁会社プリファード・コンピューテーショナル・ケミストリー(PFCC)が運用する汎用(はんよう)原子レベルシミュレーター「Matlantis(マトランティス)」。原子レベルで材料の挙動を再現し大規模な探索を可能にする。

 

2カ月かかる計算が0.3秒に

 材料探索は新しい素材を設計するための計算化学の一種。従来の方法は「DFT(密度汎関数理論)計算」と呼ばれる量子計算で、計算コストの高さが課題だった。スーパーコンピューターを用いても、結果を出すまでに数カ月かかることも珍しくなかった。

...  (つづく)