2025.07.24 【ケーブルコンベンション/ケーブル技術ショー特集】開催に寄せて 衛星放送協会 滝山正夫会長
衛星放送の可能性探る
変化する視聴環境に柔軟対応
衛星放送協会は、2010年から「ケーブルコンベンション」の主催団体の一員として参画し、放送業界の発展に寄与してまいりました。本年のテーマである「PASSION!~ケーブルテレビがひらく、地域と暮らしの未来のカタチ~」は、地域社会と共に歩む放送の理想像と深く重なり、私たちの目指す方向性と強く共鳴するものです。
さて、7月23日に「第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の授賞式が開催されました。このアワードは、衛星放送ならではの独自性を生かした番組制作を奨励するもので、今回で節目の15回目を迎えました。受賞作には、制作者の情熱と創意工夫が色濃く反映されており、衛星放送の可能性と魅力を改めて示すものばかりです。私たちは、こうしたオリジナルコンテンツこそが衛星放送の価値を高め、未来を切り開く力であると確信しています。
一方で、近年は有料・無料を問わず動画配信サービスの利用が急速に拡大し、視聴スタイルが大きく変化しています。こうした中で、衛星放送の立ち位置を再定義する必要性が高まっています。衛星放送は、地上波と動画配信の中間に位置し、放送の公共性とチャンネルごとの多様性を兼ね備えている点に強みがあります。
この特性を生かし、変化する視聴環境に柔軟に対応していくことが今後の成長の鍵となります。
また当協会では、ユニキャスト放送の実現に向けた取り組みも進めています。見逃し視聴やタイムシフト視聴へのニーズが高まる中、新たな視聴スタイルに対応するためには、従来の枠組みを超える挑戦が求められます。ユニキャスト放送は、ケーブルテレビ事業者にとっても、多チャンネルサービスの拡充やインフラコスト削減といった利点があり、業界全体に新たな可能性をもたらすものです。
7月25日午前10時から、当協会主催のセッション「多チャンネル放送の活用と展望」を開催します。
講師には、多チャンネル放送研究所の音好宏所長と、同研究所視聴者研究グループの渋谷明子主査を迎え、24年度の視聴者調査を基に現状と今後の展望を探ります。変化する視聴行動を把握し、今後の戦略を考える貴重な機会として、ぜひご参加ください。
今後も衛星放送協会は、ケーブルテレビ業界との連携をさらに深めながら、放送の新たな可能性を切り開き、視聴者の期待に応え続けてまいります。