2025.10.28 衛星に依存せず時刻を同期 マイクロチップが新マスタークロック

 米マイクロチップは、正確な時刻をネットワークに供給するマスタークロックについて、800kmの長距離光伝送により、人工衛星を活用したシステムが機能しなくても正確に時刻を同期できるソリューションを発表した。耐障害性が高く、サブナノ秒精度の時刻配信を実現する。

 発表したのは「TimeProvider 4500(TP4500) v3」。同社のマスタークロックのポートフォリオに新たに加わる。現行の多くの構成では、人工衛星を活用したGNSS(全球測位衛星システム)が必要だが、TP4500は地上での光伝送で時刻を同期できる。800 km での時刻遅延は5nsと、新たな業界標準となる精度をうたう。

 ITU-T規格で定められた高精度時刻転送(HA-TT)に対応し、高精度を実現するプレミアム機能もある。既存のイーサネット通信や光ネットワークに組み込めるよう、標準ベースのネットワークを採用した。通信、公益事業、運輸、政府、防衛分野など、小容量の屋内アプリケーションから大容量の5Gネットワークタイミング要件まで幅広く対応する。