2025.11.05 三洋化成、4~9月期減収・営業減益 高吸水性樹脂事業の撤退など響く
三洋化成工業が5日発表した26年3月期第2四半期(25年4~9月)の連結決算は、高吸水性樹脂事業からの撤退や中国製品との価格競争が影響し、売上高で前年同期比17.2%減の637億7900万円となった。営業利益も3.7%減の42億9000万円。一方で経常利益は、為替差益が押し上げ、0.8%増の50億3000万円。純利益も前年同期の9億4000万円を大きく上回る104億1700万円を計上。大幅増は、連結子会社の吸収合併により法人税などの税金費用を計上したことなどによる。
部門別では、生活・健康産業関連事業は高吸水樹脂からの撤退が減収の主な要因。同事業の売上高は59.2%減の84億6200万円。利益面では、1億2900万円の営業損失を計上した。
石油・輸送機産業関連事業は、潤滑油添加剤の需要堅調により、売上高は微減。輸送機産業関連は、自動車用シートの材料が海外製品の安値攻勢の影響を受けた。同事業の売上高は1.6%減の247億200万円。営業利益は36.7%増の28億9000万円。
プラスチック・繊維産業関連は、永久帯電防止剤の需要回復があったが、塗料・コーティング用薬剤が低調。繊維産業関連でも、風力発電用風車向け炭素繊維用薬剤が低調だった。全体では3.0%減の129億7800万円の売上高で、営業利益は28.3%減の10億2300万円。
部門別で唯一増収増益だったのが、情報・電気電子産業関連。売上高は6.5%増の111億6600万円。営業利益は13.2%増の13億6500万円。先端半導体用材料が貢献した。
環境・住設産業関連は、11.6%減の64億6800万円の売上高に対し、1億8100万円の営業損失。環境、住設両分野ともに需要低迷や海外安価品の攻勢で事業環境が悪化した。
通期の業績予想は、据え置いた。






