2025.11.06 イリソ電子工業の4〜9月期、車載がけん引し2桁の増収増益 売上高は上期の過去最高更新

 イリソ電子工業の2026年3月期第2四半期(25年4〜9月)連結決算は2桁の増収増益となり、売上高は上期の過去最高を更新した。車載用コネクターの販売増が業績をけん引した。今年度通期の売上高予想も上方修正した。

 4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同期比14.0%増の309億7400万円、営業利益が同28.1%増の27億1500万円、経常利益が同65.5%増の30億1300万円、当期純利益が同91.1%増の20億8100万円。6日に行われた決算説明会で、鈴木仁社長は「期初段階では米トランプ関税の影響を考慮し、やや固めの予想を立てていたが、中国市場を中心に自動車の台数需要が好調に推移し、パワートレイン系製品などの売り上げが拡大した」と述べた。

 4〜9月期の分野別売上高は、主力のモビリティが前年同期比11.1%増の262億300万円、コンシューマーが同2.6%増の24億2200万円、インダストリアルが同92.4%増の23億4800万円となり、全分野が伸長した。利益面では、金などの材料費高騰や秋田新工場への先行投資などの影響があったが、経費コントロールと構造改革効果でカバーした。

 4〜9月期のモビリティ市場向け売上高の内訳は、パワートレインは中国での需要が好調で前年同期比24.1%増となり、過去最高を更新。インフォテインメントも液晶パネルやIVI用、ECU用の高速伝送対応可動基板対基板コネクターが堅調で同6.5%増。センサーも同0.9%増となった。コンシューマー市場向けは、デジタルカメラやゲーム機向けが増加。インダストリアル市場向けはエネルギーマネジメント分野向けビジネスが堅調に推移した。

 同社は上期の進捗(しんちょく)を踏まえ、今年度通期の連結業績予想を修正し、売上高、経常利益、当期純利益予想をそれぞれ増額修正した。一方、営業利益は今後も原材料価格の高止まりなどが予想されることから、従来予想を据え置いた。