2025.11.25 仮想空間に新潟県内の企業が集結 リプロネクストがキャリアイベント開催

新潟県内15社が出展するメタバース上のキャリアイベント

 インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し新潟県内の企業を紹介するキャリアイベント「METAVERSE CAREER EXPO IN NIIGATA 2025」が登場した。企画したのは、メタバース事業などを手がけるリプロネクスト(新潟市西区)だ。地域企業と求職者をつなぐ新たな合同企業説明会として注目を集めそうだ。

 今回のイベントは、同社の仮想空間プラットフォーム「Roomiq(ルーミック)」上で11月に開いた企画で、スマートフォンやパソコンから自宅で気軽に参加し、自分のペースで企業研究が行える。新卒・中途採用を検討している県内の15社が3つのエリアに分かれて出展。学生や転職希望者らは、移動の制約を気にすることなく匿名で参加し、新潟で働く魅力を把握できる。期間は2026年1月30日まで。

 参加者は、デジタルの分身「アバター」となって各ブースを巡り、関心のある企業を訪問。360度カメラで撮影した社内の風景を見たり、社員のインタビュー動画などを閲覧したりできる。交流イベントの際は、アバターを通じて企業担当者とコミュニケーションが図ることが可能だ。

 新潟市では、若年・中堅層の都市部への転出が続き、企業の人材確保が深刻な課題となっている。同市に人口減少や採用市場の競争激化という波も押し寄せる中、「働き手が見つからない」「応募が集まりにくい」といった声が多くの企業から上がっているという。一方で、U・Iターンを希望する人材や新潟に関心を持つ若者が地元企業の情報に触れる機会は限られている。

 こうした課題を踏まえて同社は、デジタル技術を活用した新しい出会い方を提案し、物理的な距離や時間にとらわれず参加できるキャリアイベントを具体化させた。この企画を通じて県内企業の魅力を全国に発信するとともに、地方で働くことに興味を抱く求職者との接点づくりを後押ししたい考えだ。