2025.12.05 米アーチャー、フロリダで「エアタクシー」計画 主力機の本格利用へ

フロリダ州でのエアタクシー計画を発表したアーチャー・アビエーション(写真はイメージ)

 米アーチャー・アビエーション3日、フロリダ州南東部の空港やビジネスタウンを結ぶ「エアタクシー」計画を発表した。リレーテッド・ロスやドラゴングローバルといった大規模投資・不動産会社を巻き込んでのプロジェクトになりそうだ。 

 事業開始の時期は明らかでないが、同州内の三つの主要国際空港が10~20分で往来できる。さらに従来の移動時間が大幅に短縮され、旅行関係者は「米国有数の観光地が活況を取り戻す」と大きな期待を寄せる。

 エアタクシーは、低音・低空飛行の電動型垂直離発着機(eVTOL)を利用して、観光地や空港を回る。既設の飛行場を使用せず、「Vertiport(バーティポート)」と呼ばれる専用の離発着場を建設する動きも世界で活発化。中国では、エアタクシーを「低空経済」としてEV(電気自動車)の次の産業に育てる動きが出ている。

 アーチャーによると、使用するのは有人型で最大乗客数4人乗りのeVTOL「Midnight(ミッドナイト)」だ。最大積載量は453kgで、航続距離は161kmあり、最適化飛行距離が32km。到着から次の飛行まで10分あれば充電が十分可能という。同機は、2028年のロス五輪でも公式エアタクシーとして使用される予定。

 計画では、マイアミ(MIA)やフォートローダデール・ハリウッド(FLL)、パームビーチ(PI)という三つの国際空港を結ぶほか、別途戦略的な一般空港も利用計画に組み入れる予定だ。

 プロジェクトに参画する不動産会社では、リレーテッド・ロスやグローバル・マジックがバーティポートの設置などを計画している。これら3社は、既存のヘリコプター用基地を改造するほか、ベリポートの新築などでプロジェクトをサポートするという。

 アーチャーでは、Midnightが折り返しの短時間充電も可能なことから、従来60~90分かかっていた車の通勤客をエアタクシーに移行させていく考えだ。