2026.01.22 【情報通信総合特集】NECソリューションイノベータ・岩井孝夫社長 AI実装を成長の軸に、自治体DXとヘルスケアで価値創出

岩井社長

 2025年のIT市場を振り返ると、総じて需要は非常に力強かった。自治体標準化や民間企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が継続し、当社のSE(システムエンジニア)稼働率は高水準で推移した。特に自治体分野では、25年末にかけて自治体で切り替えが進み、全体として順調に伸びている。プロジェクト管理や品質管理を徹底してきたことが、安定したデリバリーにつながっている。

 民間では、金融機関の基幹システムのモダナイゼーション(近代化)需要が引き続き堅調だ。製造業でもDXに加え、サイバーセキュリティーへの関心が急速に高まっている。攻撃側がAI(人工知能)を使う時代となり、防御する側もAIを前提とした体制構築が不可欠になっている。当社はNEC本体のサイバー領域と連携し、実装・デリバリーの中核を担う中核企業として、官庁から自治体、民間へと展開を広げていく。

 注力事業であるヘルスケア分野も着実に広がっている。血液中のタンパク質を分析する疾病リスク予測サービス「フォーネスビジュアス」は、全国44の自治体と108の提携医療機関で活用されている。医療費抑制や健康寿命延伸に貢献する取り組みとして評価されているほか、製薬企業向けには、ターゲット探索など臨床試験前のプロセス効率化に寄与するデータ提供を進めている。海外ではタイを起点に医療ツーリズムとの連動も始まった。

 2026年は、AIの実装が本格化する年になる。AIはもはや特別な技術ではなく前提条件になっている。だからこそ社員一人一人がAIを使いこなし、最後の一手間、二手間で価値を出すプロフェッショナルであり続けなければならない。ウェルビーイングの推進や、率直に意見を交わせる文化づくりにも力を入れ、人と技術の両面から、持続的な成長を実現していく考えだ。

 SI(システム構築)事業でも、「人月型」から価値提供型への転換を一段と進める。スウェーデンの統合基幹業務システム(ERP)大手IFSをはじめとする基幹領域でも、社会や産業の変化を先取りしたソリューションを展開する。変化の激しい時代だからこそ、現場力を磨き続け、信頼されるITパートナーでありたい。