2022.09.16 「マクアケ商品をいつでも買える」 マクアケが一般販売のECサイト立ち上げ、クラファン事業者として国内初
16日に一般販売サイト「Makuake STORE」を立ち上げた(左が坊垣取締役)
マクアケから生まれたヒット商品がいつでも買えるようになる――。クラウドファンディング事業者のマクアケが、応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を利用して発売した商品を継続的に購入できる新たなEC(電子商取引)サイトを16日に立ち上げた。クラファン事業者が一般販売のECサイトの立ち上げにまで踏み込むのは「国内初」(坊垣佳奈共同創業者/取締役)とし、当初1万2000件以上の商品を買えるようにする。商品は順次拡充していく計画だ。
新しいECサイト「Makuake STORE」は、2016年3月からマクアケサービスの一環として提供してきた機能を独立させたものだ。マクアケでプロジェクトを達成した商品が、プロジェクト終了後も購入できるようになる。テストマーケティングの要素が強いマクアケでは、各プロジェクトは2、3カ月で終了してしまうが、その後も「購入したい」というユーザーからの声に応えた形だ。
事業者側にとっても、プロジェクト終了後も新サイトで継続的に一般販売できるようになる。購入決済時に20%の手数料がかかる以外は追加費用が発生しないため、「事業者にとっても販路は多い方が良いはず」(坊垣取締役)と見る。人気プロジェクトばかりでなく、「気持ちがアガる」「うちの子が喜ぶ」など独自設定した12個のタグで、気分やムードに合った商品を探せるようにするなど、他のECサイトとの違いを打ち出す。同時に、マクアケで重視する商品のストーリー性や購入に至るまでの体験を楽しめるようなECサイトを目指していく。
マクアケは、新商品がデビューする市場を「0次流通市場」と位置付けてサービスを展開してきたが、ストアの立ち上げで一般販売という一時流通市場にも本格進出することになる。コロナ禍でマクアケの利用は拡大したが、直近の業績では利用金額が前年割れするなど踊り場に来ているとの見方もあり、次の一手が求められてもいた。
機能として提供してきたストアの現在の売り上げに対し、新サイトの売り上げを25年で5倍に拡大することを目指す。