2025.08.21 万博で世界青少年発明工夫展、エレクトロニクス企業が協賛 子どもが自身の発明紹介
ヒートパイプを使った科学教室を実施(三菱電機)
大阪・関西万博の会場内にあるEXPOメッセ「WASSE」(大阪市此花区)で世界青少年発明工夫展(主催=発明協会)が開催された。日本や中国、台湾など世界各国の子どもたちが自身の発明を紹介。エレクトロニクス関連企業も特別協賛としてブースを出展した。
世界青少年発明工夫展は、世界各国の青少年が創作した発明作品の展示やコンテストを通して、創造性と国際感覚を養うことを目的に実施されている。2004年から毎年、主催国・地域を変えて行われている。
三菱電機は「宇宙を身近に。月面着陸と宇宙関連技術」をテーマに出展。VRを使い、小型月着陸実証機「SLIM」が月面着陸する様子を体験できる展示と人工衛星の熱制御技術ヒートパイプを用いた科学教室を行った。
VR内の映像は、JAXAが保有している月や地球の表面のデータやSLIMの図面を基に作成。リアルな様子を再現した。
科学教室では、手の熱で温めたヒートパイプで氷を切る実験をしたほか、人工衛星の筐体(きょうたい)に触れてもらう時間も設けた。グローバル人財部の西川孝典人財開発センター長は「当社の技術が多くの製品に使われていることを知っていただくとともに、宇宙に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。
パナソニックホールディングスは、同社製品の模倣品を展示。同社は、消費者の安全や、模倣品による収益が反社会的な目的で使用されることや自然破壊につながることを防ぐ目的で、模倣対策を実践している。
安心して発明ができる環境を作るには、発明者の権利が守られる必要があるということを子どもたちにも伝えたいという思いで出展した。会社名や商品名の表記が間違っているアイロンや電池などを展示した。来場者からは「こんなに偽物が出回っているのかとびっくりした」という声があった。
ダイキン工業は、科学に興味を持ってほしいという思いからサイエンスショーを実施。
エアコンが部屋を冷やす仕組みを実験を交えて解説するショーなど4種類を用意した。「化学オタクの日常」としてTikTokなどで動画を投稿している、のりのりさんとひなひなさんによるショーも行った。
来場した子どもにも実験に参加してもらうことで、楽しみながら理科になじんでもらえるような工夫をした。「エアコンの秘密」に関するショーでは、冷媒の仕組みを伝えるため、ペットボトルに空気を入れたり抜いたりすることでペットボトルの温度が変わることを体験してもらった。