2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】メイコーエレクトロニクスベトナム メイコー アジア向けPCB生産能力拡大へ
メイコーエレクトロニクスベトナムの外観
メイコーのベトナム工場「メイコーエレクトロニクスベトナム」は主に欧米向け、中国を除くアジア向けのPCB(プリント基板)を生産している。ベトナム最大級のPCB工場として、PCB生産から実装、組み立てまでのワンストップソリューションを提供する。
工場はハノイ近郊タクタット工業団地に立地。第1/第2/第3工場に加え、貫通板、ビルドアップ基板のさらなる増産対応として第4工場が4月に竣工(しゅんこう)した。約17万平方メートルの広大な敷地を有し、延べ床面積は第4工場竣工で約24万平方メートルに拡大。従業員数は約6000人。
同敷地内で貫通板、ビルドアップ基板、フレキシブル基板、半導体パッケージ基板など、さまざまな種類の基板を生産できる。実装、組み立ても同敷地内に工場があり、基板生産から実装、組み立てまで同じ敷地内で対応可能だ。
同工場のPCB生産実績は23年度が170万平方メートル、24年度は200万平方メートル近くと、順調に拡大。仕向け地別では欧米やASEANが増えている。25年度は第2工場の能力増強と第4工場の稼働で生産能力が約3割増強される見込みだ。
メイコーの片桐保行常務執行役員は、最近の動向について「トランプ関税の直接的な影響はほとんどない。脱中国により、ベトナムへの引き合いはさらに強まっている。当社レベルの生産能力を持つPCBメーカーはベトナムにはほとんどないため顧客から重要視されている」と話す。
半導体パッケージ基板を手掛ける第3工場の試作件数も増えており、今後の受注拡大を見込む。
同工場は、TPM導入による現場力強化に努めている。環境対応では排水リサイクル装置導入、ごみ減量化などを推進する。
7月に新工場のホアビン工場が竣工し、26年度の量産出荷開始を予定している。同社グループのベトナム製造拠点はこのほか、タンロン工場、クアンミン工場、ハイズオン工場がある。