2025.10.01 中国・小鵬汽車 欧州市場に意欲 新たに5カ国で販売へ

9月のミュンヘンでの自動車ショーで欧州戦略を説明する何小鵬CEO

10月にスイスで発売予定のSUV「G6」10月にスイスで発売予定のSUV「G6」

 中国のEV(電気自動車)スタートアップ小鵬汽車(XPeng)が欧州市場に照準を当てている。欧州5カ国での販売計画を発表したほか、オーストリアでは電気自動車(EV)を生産委託しており、欧州販売の一部をオーストリア製で賄う。

 同社はスイス、オーストリア、ハンガリー、スロベニア、クロアチアの5カ国に正式参入すると発表。同社の1~8月の海外販売台数は前年同期比137%増の2万4702台と大幅に業績を伸ばしている。特に自動車への関心の高い欧州市場を早くから注視し、欧州各国のディーラーとの販売網構築で交渉してきた。

 スイスでは、欧州に販売網を持つヘディングループと共同で、SUVの「G6」と「G9」を年内に販売開始、来年前半には「P7+」を市場投入する。

 販売車種を増やすことは、消費者にとって購入選択の幅を広くすることになる。このため豊富なラインアップで展開している欧州の地場ブランドメーカーと対抗するには、車種のバラエティーを増やすことは絶対必要との考えは中国メーカーには多い。

 スイスではチューリッヒ市に近いディールスドルフにあるヘディンの販売店を利用して国内に販売網を構築していく。25年末までには8~10店、26年にはさらに10~20店を追加するというのが目標だ。

 10月にはオーストリアに進出する計画で、欧州中央部進出の拠点にする意向。ウィーン、ザルツブルク、グラーツなどの国内主要都市に販売網を設け、年内10店舗増、26年には20店舗増を目指す。

 さらに、ハンガリー、スロベニア、クロアチアなど欧州の南東部へも展開。この3カ国ではハンガリーのオートウォリスやポルトガルのサルバドール・カエタ―ノグループといった既存のディーラーと合弁を設立、これら既存ディーラーのスタッフや資源を活用して販売網を構築していく。

 また、オーストリアの自動車OEM、マグナにEVを生産委託した。オーストリア産のEVを欧州で販売していくことになる。

 同社の何小鵬CEOは9月、ミュンヘンでの自動車ショー「IAA2025」で「ミュンヘンにR&Dセンターを開設した。本格的に欧州市場に取り組む」と決意を新たにしている。