2025.10.09 スイスのMobyFly、大阪・関西万博会場で「電動水中翼船」の日本展開に意欲 

MobyFlyによるデモ(提供:同社)

スー・プタラズCEO兼共同創業者 スー・プタラズCEO兼共同創業者 

 スイスの電動型水中翼船開発企業MobyFly(モビフライ)のスー・プタラズCEO兼共同創業者は8日、大阪・関西万博の同国パビリオンで電波新聞の取材に応じ、日本でパートナーを探し、ディーゼル船にかわる完全電動型水中翼船型フェリーの普及に貢献したいと語った。

 電動型の水中翼船は、船体下部に設けた水中翼が生み出す揚力を生かし、船体を水面から浮き上がらせて進むフェリー。同社は欧州で注目を集めている排出ガスゼロの完全電気駆動の水中翼船型フェリーのプラットフォームを開発。フェリー運航事業者が同社プラットフォーム(PF)搭載のフェリーを造船会社に発注し、水中翼船型フェリーとして就航を目指している。

 同社は現在、海上輸送のニーズにより12人乗り、60~120人乗り、300~350人乗りの三つのタイプのPFを開発中だが、現時点の就航に至った実績はなく、欧州を中心に就航に向け採用を訴えている段階。座席の配置や荷物の搭載スペースの設置など、ニーズに応じて船内の設計は可能だ。

 プタラズCEOは、空陸に続く輸送として海上市場に着目し、特に未開拓の日本での需要に期待。需要開拓に向けては、会場輸送事業者や造船事業者とのネットワークづくりが重要との認識を示した。万博を機に同社は、日本でのパートナー探しを本格化させたい考えだ。