2019.11.20 【ルームエアコン特集】エアコン暖房浸透 暖房器具の主役に

冬場は暖房器具としてのエアコン提案に力が入る。センサー技術と連動した気流制御技術の進化など、快適暖房性能は年々進化している

 ルームエアコンは、過去「クーラー」と呼ばれたりもしたが、夏場の冷房のために使う機器というイメージは今でも根強い。

 確かに、異常気象により夏場の猛暑・酷暑による熱中症対策には不可欠な商品であり、ルームエアコンの基本性能である冷房は、省エネ性、快適性向上など各社が年々進化させ、力を入れて開発する機能だ。

 「冷房」を実現する家電製品はエアコンのみである一方、「暖房」については、〝ライバル商品〟が実に多く、多彩な商品がそろっている。こたつや電気カーペット、セラミックヒーター、電気ストーブ、石油・ガスストーブ、石油・ガスファンヒーター、オイルヒーター・オイルレスヒーター、床暖房などだ。

 ところが、これら冬場の主役商品を押しのけ、現在冬場の暖房器具として、最も多く使われているのは「ルームエアコン」だ。シャープの調べでは、冬場に使う暖房器具として、圧倒的なトップがエアコンだ。ほかの暖房器具が5-29%、2番目に多い回答が石油ストーブ/ファンヒーター(29%)であるのに対し、ルームエアコンは73%だ。

 それだけ、近年はルームエアコンも「暖房器具」として、一般に浸透してきたということで、暖房性能が向上した証だ。今では寒冷地でもエアコン暖房が使われることが増えている。
北海道などの寒冷地では、今や各社から寒冷地向けの専用モデルがラインアップされており、外気温が氷点下25度でも暖房できる強力な暖房機能を備えている。

 専用モデルは標準モデルと比べ、室内の空調性能に変わりはないが、凍結防止のため室外機にヒーターを搭載するなど、やや異なる仕様となっている。

 いま市場では、寒冷地域がエアコンにとって残された最後の開拓地として、メーカー各社は商品戦略に力を入れ、激しい競争が繰り広げられている。過去、ルームエアコンの場合、暖房には適さないというイメージが持たれたこともあった。暖かい空気を足元に送り出すことは本来難しいからだ。この問題は快適性に直結する。

 まず、この気流制御技術の開発に力を入れ、いかに足元へ上手に暖かい空気を送り出すか、フラップの改良、センサー制御の導入、吹き出す温風の高温化、デュアルブラスターの導入(富士通ゼネラル)など、各社は工夫を重ね、快適性を高めてきた。

コンプレッサにも

 また、各社は厳しい氷点下でも暖房運転が可能な、強力なコンプレッサの開発などに力を入れている。

 パナソニックでは、さらに工夫を重ね、コンプレッサからの排熱を有効利用して、蓄熱槽に熱をチャージし、霜取り運転中でも暖房が継続するエネチャージシステムを採用している。気流制御の技術では各社プレミアムモデルにおいて、さまざまな技術を導入し、快適性を高めている。

 三菱電機は、高精度な赤外線センサー技術を活用した「ムーブアイ mirA.I.+(ミライプラス)」により温度変化を空気の流れ・強さを推測し、最適な制御で快適暖房を実現している。

 日立ジョンソンコントロールズ空調も、AI気流と組み合わせてスピード暖房の実現と、パワフル温風による足元暖房の強化や、「くらしカメラ AI」が気流の通り道を見分けて暖房運転を行う。

 富士通ゼネラルは、気流制御をさらに進化させる「デュアルブラスター」の採用によるハイブリッド気流で、暖かい空気が浮き上がらず、床付近を遠くまで届くよう気流制御し快適暖房を実現する。

 ダイキン工業では、暖房立ち上げ時にも人に風を当てないことで快適にするべく、風速の大きい風を広範囲に分散させ体に感じづらくさせるほか、 暖房時は垂直気流により足元まで暖かさを届ける。また、同社では独自の湿度コントロール技術によって、冬場でも快適な空調を実現している。

 コロナでは、高温吹き出しとロング気流により、足元から暖かい快適暖房を実現。また、外気温がマイナス7度でも定格能力以上の暖房能力を出せる低温暖房能力の高さを特徴としている。これから各社は、エアコン暖房提案を店頭などで強化、暖房器具としてのエアコン普及に力を入れていく。

【ルームエアコン特集】目次

各社、高級機の提案に一層の力
●エアコン暖房浸透 暖房器具の主役に
パナソニック「エオリア」Xシリーズ
富士通ゼネラル「nocria」Xシリーズ
ダイキン工業「うるさらX」
三菱電機「霧ヶ峰」FZシリーズ
日立ジョンソンコントロールズ空調 「白くまくん」プレミアムXシリーズ
コロナ Wシリーズ