2023.10.12 量子科学から「第4の素材」 東大発新興のトポロジックがメモリーなどゲームチェンジ目指す

センサーのデモ動画から

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 量子科学に基づく新規材料の社会実装を目指す、東大発のQX(量子トランスフォーメーション)スタートアップ、Topologic(トポロジック、東京都千代田区)が、研究開発を進めている。「トポロジカル物質デバイス」で、既存の材料では解決できなかった技術的な課題を解消するエンジニアリング提供を目指している。

 トポロジカル物質は、「絶縁体」「導体(金属)」「半導体」とは全く異なる電子の流れや制御が可能な、いわば「第4の物質」として注目されている。研究は1970年代以降に大きく進み、理論研究が2016年にノーベル物理学賞を受賞、新しい物質相の発見として脚光を浴びた。

 国内では、東大理学部の中辻知(さとる)教授の研究室で、トポロジカル物質の発見が進み、デバイス応用が可能なトポロジカル物質の合金が17年、以降順次発見。世界をリードしている。

 同社はこれを受けて21年に創業した。物理研究と社会実装の間のエンジニアリングを推進。トポロジカル物質に固有な物理現象を使った電子デバイス、半導体デバイスの開発、設計を担っている。

 コアとなる技術はトポロジカル物質の薄膜を用いたデバイスのエンジニアリングに関わるノウハウ。これを使い、革新的な磁気メモリー(MRAM)と高性能熱流束センサーの開発を手掛ける。
(12日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報しています)