2020.03.25 【関西エレクトロニクス産業特集】2025年日本国際博覧会開幕まで5年
万博会場のイメージ(出所:経済産業省)
25年4月13日から184日間開催 「コトを感じる場」めざす
2025年日本国際博覧会開幕まで5年となった。当初想定の会期5月3日(土)-11月3日(月)は、来場者の集中が見込まれる大型連休前の開幕による運営トラブル回避のため、20日間前倒しの4月13日(日)-10月13日(月)の184日間に決まった。
会場は大阪市此花区の人口島・夢洲(ゆめしま)の約155ヘクタールの万博会場。カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致も進めているベイエリアで、会場建設費だけでも約1250億円(国、大阪府・市、経済界が400億円強ずつ負担)の大型プロジェクトだ。算出時期が17年のため、人件費や建設資材の上昇により、1250億円が上振れする可能性もある。
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。コンセプトが「People's Living Lab(未来社会の実験場)」。
207の出展見込む
ブースおよびパビリオンに150カ国、25国際機関、政治自治体2、民間企業30の合計207の出展を見込み、期間中約2820万人(うち外国人350万人)の来場を予想している。テーマから具体的に想定される展示分野を六つの「フォーカスエリア」(宇宙・海洋・大地/ライフサイエンス/AI・ロボット/未来の産業/遊び・学び/食の未来)に設定する予定。
会場デザインはあえて中心をつくらない離散型とし、個と個の関係、多様性の中から生まれる調和と共創によって形成される未来社会を表現する。二つのエントランスと五つの大広場をつなぐようにメーン通りを設け、その上に大屋根を設置。AR(拡張現実)、MR(複合現実)技術を活用した展示やイベントなどを行い、来場者の交流の場とする構想を描く。「モノを見せる場」から「コトを感じる場」に、「見学する万博」から「参画し、共に創る万博」を目指している。
大阪・関西万博開催による経済波及効果は関西で1.3兆円、全国で2.2兆円という試算がある。経済波及効果が全国で約32兆円、東京都で約20兆円と試算されている東京五輪・パラリンピックには及ばないが、世界から大阪、関西にヒト、モノ、カネ、情報が集まる。
万博運営主体の2025年日本国際博覧会協会は別表のスケジュールの通り4月のBIE執行委員会の審査を経て、6月開催予定のBIE総会で登録申請書の承認を目指している。承認後は外交ルートを通じた正式な参加招請が可能となる。10月-21年4月開催のドバイ万博で、各国へ参加招請を本格的に実施する計画だ。
ロゴマークなど選定
また、協会は大阪・関西万博の機運醸成を目的に19年11月に万博ロゴマークを公募(11月29日-12月15日)。5894の応募作品からロゴマーク選考委員会で今春、最優秀賞を決め、ロゴマークを決定する予定。
有識者からなるPeople's Living Lab(PLL)促進会議も11月から毎月開催。19年12月2日-20年1月31日の期間、企業が万博会場などで実証・実装したい未来社会のアイデアを幅広く募集した結果、491企業・団体から1020件(782件単独法人、238件コンソーシアム)の提案があった。4月に中間報告で提案内容を公表する予定だ。
内容によって遅くとも年内に策定する万博開催に必要な事業方針や考え方をまとめた基本計画に反映させる。今春、選定予定の各分野のプロデューサーに基本計画策定に関与してもらい計画のブラッシュアップを図る。
企業、大学、自治体、NPO、団体、個人などが大阪・関西万博に向けてワンチームとなり、SDGs達成に貢献することを目指すSDGs共創プロジェクト「TEAM EXPO 2025」もスタートする。