2024.04.10 家電の“循環型”に一歩 パナソニックの家電サブスクが契約倍増 再生品販売とも連携

再生過程では必要に応じて電子部品の交換も行う

ドラム式洗濯乾燥機のクリーニングなど長く使ってもらうサービスを拡充ドラム式洗濯乾燥機のクリーニングなど長く使ってもらうサービスを拡充

 パナソニックが、循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた施策を家電事業で加速する。メーカー再生品(リファービッシュ品)の販売領域を10日から拡大したほか、契約が倍増している家電のサブスクリプション(定額課金)サービスと再生品販売を連携。IoT技術の活用や新品以外の選択肢を用意することで、多様化する家電ニーズに応えるとともに、販売からアフターサポート、廃棄までの循環を回せるようにする狙いだ。

 購入後の保証から購入した家電の使いこなし、メンテナンス、サポートまで一貫して対応する体制を強化。再生品も強化することで、顧客満足度を高めながら循環型経済の実現を目指していく。

 東京都内で10日に開いた会見で、執行役員コンシューマーマーケティングジャパン本部長兼くらしアプライアンス社副社長でパナソニックマーケティングジャパンの宮地晋治社長は「購入後の体験価値を高めることで、家電を長く使ってもらう循環型の環境を作っていく」と述べた。

 既に提供しているIoT家電の延長保証サービスは、23年度末に対象機種が7カテゴリー・約500品番にまで拡大。約900万人のユーザーとつながるまでになった。地域限定でスタートしたIoT接続サポートは昨年12月から大型家電の取り扱いも始めており、「今後順次エリアを拡大していく」(宮地社長)。

 購入後のメンテナンスではエアコンのクリーニングサービスに加え、5月から関西地区でドラム式洗濯乾燥機に搭載するヒートポンプユニットのクリーニングサービスを始める予定だ。クリーニング後は2年間のアフターサービスもセットで提供する。

 20年から始めている家電サブスクは、23年度に前年比2倍の契約となり、利用が拡大している。サブスクとの連携として、利用された家電を再生品として販売する予定だ。再生品は「パナソニック・ファクトリー・リフレッシュ」として直販サイトで展開する。

(11日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)