2024.08.07 三菱電機、先進レーダー衛星だいち4号による初観測画像取得 世界最高性能レベル、防災・減災に活用

だいち4号運用イメージ(ⒸJAXA)

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だいち4号PALSAR-3による初観測画像。東京湾周辺 分解能3メートル、観測幅200キロメートル(ⒸJAXA)だいち4号PALSAR-3による初観測画像。東京湾周辺 分解能3メートル、観測幅200キロメートル(ⒸJAXA)

 三菱電機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注し、今年7月1日にH3ロケットで打ち上げられた、世界最高性能レベルの先進レーダー衛星「だいち4号」による、初観測画像を取得した。

 「だいち4号」には、フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)が搭載されている。電波を地表面に照射し、反射波の受信により地表面を観測する。高精度に広範囲の画像を取得できる。

 今回の試験電波発射により初観測画像を取得したことを確認した。これにより広域で同時多発的に災害が発生した場合も、迅速な状況把握が可能となる。

 同社は、2016年度にだいち4号の開発を開始し、鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)で全体の設計・製造・試験を担当してきた。広域観測と高分解能を両立させるために不可欠であるPALSAR-3も、同社が開発を担当している。

 PALSAR-3は、現在運用中の陸域観測技術衛星2号「だいち2号」に搭載されたレーダーと同等の高分解能を維持しつつ、観測幅を拡大したもので、高度約628キロメートルから全地球規模での高分解能観測を行う。

 だいち4号による広域の地殻・地盤変動の観測情報は、平時・災害時における地殻・地盤変動の監視、火山活動や地盤沈下、地滑りなどの異変の早期発見、森林資源の管理等に活用される。(電波新聞/電波新聞デジタルで後日詳報します)