2025.04.25 520億円で宮城に新開発棟、アウトプット2倍以上に 東京エレクトロン
新開発棟の外観(出典:東京エレクトロン)
東京エレクトロン(TEL)は24日、宮城県内の開発・製造拠点である東京エレクトロン宮城(宮城県大和町)に新開発棟(第3開発棟)を開設した。高度化、複雑化する半導体製造技術に対応する開発環境を整え、評価時間を短縮し現行の2倍以上のアウトプットを実現する。
新開発棟は地上3階建て、建築面積約1万6300平方メートル、延床面積約4万6000平方メートルの規模。建設総費用は約520億円。今後、クリーンルーム内に各種装置を設置し、今年9月の稼働開始を見込む。
東京エレクトロン宮城は、ウエハー表面に形成された薄膜を削るプラズマエッチング装置の開発・製造を行う重要な拠点。新開発棟でもエッチング装置の開発や評価を行う。
新開発棟には、大型化する装置サイズに対応した大型クリーンルームを2、3階に整備。天井には無人搬送設備を設置し、省人化も推進する。
東京エレクトロン宮城の神原弘光社長は「最先端の半導体は微細化や3次元積層化が進み、製造工程も高度化、複雑化している」と述べ、「新開発棟が完成したことで、評価量の増加や評価時間の短縮につながり、顧客の開発に貢献できる。新開発棟を核とし、世界一の半導体製造装置工場を目指す」と強調した。
TELは東京エレクトロン宮城のほか、山梨県や熊本県にも開発拠点を持つ。熊本の東京エレクトロン九州(熊本県合志市)でも現在、新開発棟の建設を進めており、今年夏の竣工を予定している。