2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】カトーレック 部品調達などで顧客との連携強化F

カトーレックベトナム工場

宇田 社長宇田 社長

 カトーレックは物流とEMSを両輪に事業を展開する。EMS製造拠点は国内(高松、松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、メキシコ(ティファナ、グアナファト)、インド(プネー)の9カ国12拠点。EMS事業が売上高の約70%を占める。

 同一品質・サービスを提供する「グローバルプラットフォーム」を追求する。各工場は多品種少量生産に対応し、生産品目は民生機器から車載機器まで幅広い。H3ロケットの新開発メインエンジンに搭載された制御基板を製造するなど、技術力に定評がある。

 宇田昌弘社長は「お客さまは引き続きASEANを重要な生産拠点と位置付けており、全体として市況は悪くない」と説明する。特にベトナムとタイが堅調だ。ベトナムは事務機関連がけん引し、タイは車載機器や事務機などがバランスよく伸長している。

 ASEANの各社は社歴が長く、ナショナルスタッフ(現地人材)も経験を重ねてきた。宇田社長は「日本人的な細やかなサービスを日系企業に提供できるのが当社の強みだが、今後はナショナルスタッフの幹部人財も増やしていきたい」と意欲を示す。

 国内では3月に高松本社工場(高松市)が稼働を始めた。鉄骨造り4階建て、延べ床面積は2万2089平方メートル。同工場内にグローバルEMSセンターや一部の本社機能を移転した。製造部門と技術・営業・調達およびスタッフ部門の連携強化と効率化に取り組む。

 顧客からEMSにアウトソーシングする領域は広がり、高度化も進んでいる。宇田社長は「お客さまの課題解決にいっそう貢献したい」と語り、部品調達や技術サポートを強化していく。

 7月に東京本社を千代田区丸の内に移転した。採用面での競争力を高める狙いがあり、人財の獲得と育成に、より注力したいとする。宇田社長は「社員の成長により、事業の成長機会は広がる。事業と社員の成長を両輪として取り組みたい」と意気込む。