2025.10.09 三菱電機が「しゃべり描き翻訳」発売 外国籍従業員とのコミュニケーションを円滑に

外国籍従業員とのコミュニケーションを視覚的にサポートする

折り返し翻訳機能で誤翻訳を防止(提供:三菱電機)折り返し翻訳機能で誤翻訳を防止(提供:三菱電機)

 三菱電機は、話した言葉をタブレット端末の画面上に翻訳して表示する「MelBridge(メルブリッジ)しゃべり描き翻訳」を発売する。生産現場での外国籍従業員との円滑なコミュニケーション実現に向けて開発され、正確な情報伝達や作業品質や安全性の向上に貢献する。

 近年、労働力人口不足の深刻化により製造業での外国籍労働者が増加している。こうした動きに伴い労災事故も増加傾向にあり、生産現場で外国籍労働者と円滑にやり取りするための環境づくりが求められていた。

 そこで同社は、多言語翻訳で外国籍従業員とのコミュニケーション面の課題を解決し、働きやすい職場環境を実現するソリューション「メルブリッジ」を展開している。4月には第1弾として、朝礼などの1対多数の場面を想定した「翻訳サイネージ」を投入。第2弾となる今回は、作業指導などの1対1の場面で使用するwebアプリケーション「しゃべり描き翻訳」を発表した。

 新製品の「しゃべり描き機能」は、話した言葉を指でなぞると、翻訳された言葉を表示する。言葉をイラストや写真の上に挿入することで、視覚的に情報伝達をサポートする。会話内容を翻訳してチャット形式で表示する「トランスクリプト機能」も搭載した。

 生産現場の専門用語や社内用語などを登録できる「辞書機能」に加えて、翻訳した文章を元の言語に翻訳し直す「折り返し翻訳機能」を搭載し、翻訳精度の向上も実現した。

 翻訳された文字を再度母国語で翻訳し、内容を見比べることで外国籍従業員とのコミュニケーションでの心理的安全性の確保にも貢献する。

 辞書機能により、専門用語や社内独自の言い回しも誤翻訳なく伝達することが可能だ。同社ビジネスイノベーション本部ビジネスイノベーション統括事業部しゃべり描きプロジェクトマネージャーの松原勉氏は「しゃべり描き翻訳はスピーディーで円滑なコミュニケーションや理解度向上、作業ミス予防をサポートする製品だ」と力を込めた。

 今後は、製造業の生産現場だけでなく、建築や介護などの幅広い分野に向けたサービス展開などを計画している。

 しゃべり描き翻訳は現在、22言語に対応しており、今後も拡充を予定している。11月3日に発売し、サブスクリプション型サービス(月額、利用料は個別見積もり)として展開する。