2025.10.10 大阪・関西万博スイス館、「水中翼船型フェリー」の可能性をテーマに討論

関係者が出席して水中翼船型フェリーの未来を討議(左からメスナー、プラタズ、ペレ、リュローの各氏)

 都市型水中翼船を開発しているスイス企業 MobyFly(モビフライ)は、大阪・関西万博のスイス・パビリオンに海上輸送の関係者を招き、都市交通における海上輸送の将来性について討議した。

 出席者は、関西の三つの空港を運営している関西エアポートのブノワ・リュロー共同CEO、フェリックス・メスナー在大阪スイス領事(スイスネックス・ジャパンCEO兼務)、スイスのエネルギー企業プラネールの再生可能エネルギー担当ディレクター、リオネル・ペレ氏、モビフライのスー・プタラズCEO兼共同創業者の各氏。

 メスナー領事は「スイスが世界の持続可能な技術革新で世界の中心にある」と語り、今回の討論会も「水中翼船型フェリーを世界や日本へ普及させるのが開催の狙い」と説明した。

 モビフライのプタラズCEOは「当社は22年に“HackOsaka”(国際イノベーション会議)で賞を受賞した実績があり、24年には東京都庁の関係者含めた代表団がスイスを訪れ、当社フェリーのプロトタイプを視察している」と日本との関係を強調。さらに「60cmの浅瀬でも運行可能なのが特徴」とアピールした。高速で効率的な排出ゼロの水中翼船の設計が認められ、「大阪・関西万博/JETRO大阪本部賞」を受賞した。

 プタラズCEOによると、同社の排出ゼロを可能にしているパワートレインは電池だが、次世代船では燃料セルや水素などを利用する計画だ。

 プラネールのペレ氏は、エネルギー効率、インフラ整備、持続可能なシステム構築について説明。リュロー氏は「フェリーを導入することで、空と海の輸送間で相乗効果が期待できる」と、将来の可能性を示した。