2025.10.10 デナリパム MR技術で「お化け屋敷」再現 大阪・関西万博で披露
MR技術とモビリティーを組み合わせたシステム
AI(人工知能)やロボットなどの研究開発を手掛けるデナリパム(大阪市北区)は、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで、現実と仮想空間を融合させるMR(複合現実)技術と小型の移動手段パーソナルモビリティーを組み合わせたシステムを披露した。MR技術で何もない空間に「お化け」を出現させる演出も行った。エンターテインメント向けシステムとして提案する。
今回の取り組みは、大阪産業局の「咲洲テック・ラボ・プログラム2024」採択案件で、大阪市経済戦略局主催の「大阪テックDay」の一環として実施。システムは自動運転機能を搭載した2人乗りパーソナルモビリティーに、MR技術とデジタルツイン技術を融合したデナリパムのコンテンツ提供サービス「ビジョンMR」を組み合わせた。
システムを披露した舞台は、パビリオン内の「リボーンステージ」。ステージ上では、MR技術を駆使して、何もない場所に蝙蝠(こうもり)やゾンビなどが登場。自動運転モビリティーに搭乗した利用者は、MRグラスを装着することで、「お化け屋敷」を体感した。
位置情報や動きに応じて、ホラー演出が動的に変化。搭乗者が特定のエリアに到着すると、お化けが登場。参加した人からは、「怖かった」「楽しかった」といった感想が聞かれた。
システムの実現に向けては、ロボット開発を手掛けるロボリューション(大阪府高石市)と協業した。今後は、商業施設や自治体のイベント向けシステムとして提案。装飾資材や大規模な人員を使わず、廃材が不要な空間演出を行えることも訴える。
デナリパムの井本直正社長は「夏にも商業施設でMR技術を活用した恐竜イベントを実施し好評だった。万博会場でもよい評価を得た。空きスペースを活用し、今回のようなイベントを開催することで、地域経済の活性化、観光誘致につながれば」と今後の展望を語った。