2025.11.26 スマホアプリで快適な周遊実現 つくば市で「MaaS」実証開始 日立やJTBなど

つくば市で始動するスマートフォンアプリ「つくチケ」を活用した実証実験

快適な周遊を実現する実証実験のイメージ快適な周遊を実現する実証実験のイメージ

 茨城県つくば市で複数の交通機関や観光・小売りサービスをシームレスに利用できるスマートフォンアプリ「つくチケ」を活用したMaaS(次世代移動サービス)の実証実験が、12月1日に動き出す。スマホ一つで市内をスムーズに周遊できる環境を実現し、地域経済の活性化につなげることを狙う。

 今回の実証は、日立製作所やJTB、関東鉄道、首都圏新都市鉄道、つくば観光コンベンション協会、筑波観光鉄道が発表した。つくば市や筑波大学などで構成される「つくばハンズフリーチケッティング共同事業体」からの委託事業として実施する。

 対象は観光客や市内住民で、期間は2026年1月31日まで。公共交通機関は、首都圏新都市鉄道が運行するつくばエクスプレスのうち対象6駅のほか、関東鉄道運行の路線バスやつくば市運営のレンタサイクル、筑波観光鉄道運行のケーブルカーが対象となる。つくば駅や筑波山周辺の観光施設と小売店、飲食店などで行う。

 参加者は、「つくチケ」をダウンロードすると、鉄道やバスなどの多様な交通手段と観光や小売りなどのサービスを一つのアプリでシームレスに利用できるようになる。さらに「つくチケ」では、利用した総額に応じて最大40%の割引が適用され、事後決済でまとめて支払うことができる。

 つくば市を訪れる観光客は、事前にチケットなどを購入する必要がないため、悪天候などで旅程を変更したい場合でも自由に選択できる。市内住民は、「つくチケ」を通じて日常生活で利用する交通機関や飲食などのサービスで割引を受けることができる。

 地域の活性化に向けては、快適で便利に移動し観光や買い物、飲食などを楽しめる環境づくりが不可欠だ。ただ現在は、交通機関やサービスごとに利用できる決済方法やチケットが異なるため、利用者は移動や施設利用のたびに別々の手続きや支払いを行う必要があり、利便性が課題となっていた。