2026.01.23 韓国勢 次世代車載電池の取り組みを活発化

ナトリウム・イオン電池のパイロット生産が計画されているLGESの中国・南京工場

Nature Energy誌に掲載されたソウル国立大学とSKオンの研究成果Nature Energy誌に掲載されたソウル国立大学とSKオンの研究成果

 車載電池で、中国を追う韓国企業の取り組みが目立っている。LGエナジー・ソリューション(LGES)は中国でナトリウム・イオン電池(NIB)のパイロット生産ラインを建設の予定。ライバルのSK オンは単結晶利用の正極材の共同研究をソウル国立大学で行っており、このほどその成果が英国の学術誌「Nature Energy」のオンライン版に発表された。韓国は次世代の車載電池をめぐり先行する中国を追う。

 LGESは、中国・南京市の自社工場内にNIB生産のためのパイロット生産ライン設置を準備中という。地元メディアによると、年内にも量産に向けての検証が始まるという。

 同社は現在、各種次世代電池の研究開発を韓国内の大田(デジョン)広域市にある自社の研究開発センターで行っており、第一段階の「サンプルA」のプロトタイプを国内忠清北道の本社工場で生産する。その後は、完成品に近い「サンプルB」を南京工場で、量産品とほぼ同じ「サンプルC」は同工場で生産するという段取りだ。

 同社は、年内にパイロットラインの工事を完了し、商用生産を開始する計画だ。同社の南京工場幹部は、NIBのパイロット生産工場建設にはいろいろの選択肢があり、メディアの報道は承知しているが、最終的にはなにも決まっていないと、詳細を明らかにしていない。

 EV(電気自動車)の普及に伴い材料高騰のリチウムイオン電池(LIB)とは異なり、材料としてのナトリウムが容易に入手しやすいNIBについては、中国最大の電池メーカーCATLが先行しており、韓国企業としても早期に追い付きたいとしている。

 CATLも昨年末の自社のイベントで、26年は乗用車の電池交換ステーションや商用車、据置型エネルギー蓄積装置(ESS)などでNIBの需要が一気に高まると予想している。

 財閥系SKグループの傘下で車載電池大手のSKオンもソウル国立大学と共同で、高密度の大型単結晶正極電極の開発に成功した。電池の寿命や安定性、エネルギー密度の改善がみられたという。

 電池メーカーは現在、各粒子内に複数の結晶が凝集している多結晶正極材料を使用している。電極シートをロールで圧縮し、厚み・密度・表面状態を均一化するカレンダリング工程や、充電・放電のサイクルでは、これら結晶同士の界面が亀裂やガス発生の原因になる。

 一方で単結晶を形成する粒子から成る単結晶正極材料は、亀裂を起こしにくく、しかも安定性と寿命を改善することがわかったという。

 今回の研究成果は、学術誌「Nature Energy」の26年1月2日号にオンライン掲載されている。