2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフハイブリッド営業強み、海外拠点の体制強化も継続
戸澤 社長
コアスタッフは、ウェブ販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに事業拡大を続けている。半導体や電子部品の需要拡大により、2021年度の売上高は前期比約3倍の261億円に急増。物流倉庫の効率化や海外拠点体制の強化を進めつつ、市場のピークアウトも見据えながら柔軟に対応していく。
半導体・電子部品不足は足元では解消方向にあるものの、依然として入手困難品もあり、二極化の状況が続く。同社は海外5拠点(香港、米国、中国、ドイツ、タイ)をフル活用し、多種多様な製品を調達。顧客の余剰在庫削減を通じた製品調達も奏功し、緊急調達ニーズに対応する。
「半導体・電子部品不足で市場は混乱したが、当社にとってはサプライヤー開拓を進めることができた。小規模のカタログディストリビューターなどが海外にはたくさんある。海外拠点を活用し、独自の調達網を構築できたことは強みになる」と戸澤正紀社長。
海外拠点の体制強化も継続する。中でもタイ現地法人では、半導体や電子部品の余剰在庫の委託販売を年内に開始予定。同国内に物流倉庫を整備し、日本で提供している余剰在庫削減サービスをASEAN域内でも展開する。模造品対策の真贋(しんがん)判定サービスも予定。ASEAN域内の顧客に直接販売できる体制を整える。
海外拠点の体制強化とともに国内物流拠点への投資も行う。既存の物流センター(長野県佐久市)に自作のマシンを導入し、出荷先のラベル貼りや注文内容の読み取りを自動化。大幅な業務効率改善につなげる。既存施設の近くに新物流センターの新設も進めている。ここでは自動倉庫型ピッキングシステムなどの導入を予定し、自動化による生産性向上に期待がかかる。
また従来の真贋判定サービスを強化し、フタル酸系4物質の含有検査を可能とするために設備投資を行う。
戸澤社長は「この数年で大きく業容を拡大してきた。引き続き顧客に満足してもらえるようレベルを上げ、丁寧な顧客対応で、選ばれる企業であり続けたい」と話す。