2020.04.21 【電源用部品/ノイズ対策部品特集】 電源用部品の動向
電源の小型、高効率化技術をサポートするアルミ電解コンデンサ
さらに小型・薄型・軽量・高効率化
電源の小型、高効率化技術の進展は、電源用部品の新技術がサポートしている。また、高性能化に向けてノイズ対策部品の地位が一段と高まってきた。電源技術が高度化している。小型、薄型、軽量および高効率化が目覚ましい。
自動車、スマートフォン、産業機器など、成長分野に向けて新製品開発が活発化。電源を支えるパワー用部品は、マテリアル、プロセス、評価技術をさらに高度化しながら、電源の新製品開発をサポートする。
自動車分野では、EVなどの環境対応車の台頭でモーター制御のためのインバータ、DC-DCコンバータ、充電器などの開発が活発化。振動、衝撃、温度、湿度などの耐環境性に優れ、かつ小型、軽量、高効率化などが求められる。
また、安全系をはじめ自動運転に向けた機能強化で、ECUの搭載点数が増え、その電源回路の小型、高信頼性化技術も強く求められている。
スマホ、さらにはIoT関連端末などの分野は、様々な半導体デバイスを駆動するための超小型、低背のDC-DCコンバータモジュールが数多く搭載される。
太陽光発電のパワコンは絶縁型と非絶縁型があり、これまではアナログ制御の非絶縁型が多かったが、最近ではDC-DCコンバータの制御にデジタルを用いた技術が採用され、小型、軽量、高効率で、経済性、信頼性の高いパワコンが出現している。
また、再生可能エネルギーと蓄電システムの分野における直流給電に対しては、1台で低電圧と高電圧を双方向に昇降圧できる高効率の絶縁型の双方向DC-DCコンバータの開発が進展。
電源を構成する電子部品の小型、低背化技術も進んでいる。スイッチング素子や整流素子はハイパワー化、高耐圧化に向け、シリコンに代わってSiCやGaNを用いたパワー素子の開発が活発化している。
制御回路については、マイコン、DSPの進化によって、デジタル制御方式を採用した電源の開発が相次いでいる。
アルミ電解コンデンサは、小型、長寿命化を追求し、高電圧化技術開発も進む。車載用に150度対応製品、産業機器向けに700V超の高耐圧化製品も登場している。
さらに導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサといったポリマー系コンデンサの新製品開発が活発化。
スイッチングトランスは、低損失フェライトコアの最適設計によって小型、薄型、高効率化に向けた開発が進む。
コイルはフェライトコアやアモルファスコア、さらにはメタル系など磁性材料を最適に使い分ける。
特にメタル系パワーインダクタは、巻線タイプに加え積層、薄膜といった技術の採用によって、小型、大電流対応の技術が進展する。
抵抗器は、金属板タイプをはじめとする低抵抗器をはじめ耐サージ、高電力、耐硫化など、高機能チップの品ぞろえが充実している。