2024.09.18 25年度に売上高2500億円へ 前期比1.3倍以上 半導体・ディスプレー用材料など、東レ
半導体・ディスプレー用途を中心にDI事業の拡大戦略を描く
東レが、半導体・ディスプレー向け材料や装置の事業を拡大させる。それらを中心とするDI(デジタルイノベーション)事業で2025年度(26年3月期)に売上収益2500億円を目標に掲げ、昨年度から1.3倍以上に増やす計画だ。
東レのDI事業は、デジタル技術の浸透で利便性や生産性の向上に貢献する材料や装置、技術、サービスなどを含み、成長領域として強化している。その軸に位置付けるのが半導体・ディスプレー用途で、フレキシブル回路基板やディスプレー用材料などのほか、半導体製造装置や検査装置などもそろえる。DI事業の23年度売上収益は、前期比約9%増の1813億円だった。
13日に東京都内で開催したIRセミナーで、島地啓上席執行役員電子情報材料事業本部長は「当社のDI事業は、半導体市場が低迷する中でも、23年度も着実に拡大した。素材、装置、分析という東レグループの総合力を活かしたトータルソリューションで、顧客のイノベーションに貢献していく」と自信を見せた。
東レグループの総合力を活かした取り組みの1つに、最先端製品を手掛ける企業向けの材料開発がある。素材、製造・検査装置、分析サービスを連携させることで、材料の開発に加え、顧客の改良要請に関わるメカニズム解析や最適製造条件の抽出などを行い、改良品を提案。こうしたサイクルを高速に回転させることで、競合との差別化を図っている。
今後の成長が期待されるマイクロLEDディスプレー関連技術の開発でも、素材・装置・分析といったソリューションをグループ一体となって提供可能とする。
東レグループは、中期経営課題「プロジェクト AP-G 2025」の成長領域にサステナビリティイノベーション(SI)事業とDI事業を掲げ、両事業の売上収益を全体の6割程度まで拡大させる方針を示している。