2025.07.11 【電子部品技術総合特集】メイコー 名屋茂取締役常務執行役員基板事業統括本部技術開発本部長
名屋 常務
大量生産、高品質強み
業界最先端技術チャレンジ
メイコーは、プリント配線板の設計・製造技術を軸に、EMSやロボット・FAシステム・映像機器の設計・開発・製造なども手掛ける総合エレクトロニクスメーカーとして事業を拡大している。
名屋茂取締役常務執行役員基板事業統括本部技術開発本部長と石原正勝副本部長は、研究開発方針について「当社の強みは、大量生産が得意なことと、高品質なこと。R&Dに関してもその強みを重視し、高信頼性を意識し、今後も業界最先端の技術にチャレンジしていく」と話す。
開発の重点テーマの一つである部品内蔵基板は、民生用途では徐々に量産実績が広がり、「現在はパワー半導体内蔵の車載用部品内蔵基板の量産化を目指している」(同)。研究開発センターでは放熱基板技術に重点を置き、特に①低熱抵抗②耐電圧③インダクタンス低減による多層化などをキーワードとした開発を強化。AI(人工知能)サーバー向けのパワー系のサブストレート、モジュールの開発にも力を注いでいる。
本社生産技術部は傘下に海外技術センターがあり、全社的な技術のグローバルでの横展開や、中高多層基板の技術開発に取り組んでいる。
「当社の研究開発は国内がメインだが、変化のスピードの速い中国市場に対応するため、中国の技術センターを中心に中国の技術トレンド把握に努めている。広州の技術センターに加え、武漢でも開発体制を強化している。ベトナムでも現地スタッフと日本人がタッグを組み、高難度の基板開発に取り組んでいる」(同)。ベトナムではこのほか、AGV(無人搬送車)などの現地設計も行う。
他社とのアライアンスでは、今年のJPCA Showで日東電工の多孔性材料を活用した多孔性基板の開発品を紹介した。産学連携では、山形大学とフレキシブルエレクトロニクス関連の共同研究に取り組んでいる。
脱炭素関連では、樹脂材料リサイクルや天然素材由来樹脂材料への置き換えなどの開発を他社とのコラボで進めている。