2025.10.08 ヤマハ発動機、自動車用電池の「リパーパス」でリボルテックスと協業 資源循環後押し

リパーパス電池事業の取り組み(出所:ヤマハ発動機)

 ヤマハ発動機は、自動車で使用した後の電池を新たな用途で再利用する「リパーパス(再生・用途転換)電池」などの社会実装に向けて、SOMPO ホールディングスのグループ会社、REVortex(リボルテックス、東京都新宿区)と事業化の検討に乗り出した。両社は、協業を循環型経済の活性化につなげたい考えだ。

 両社は基本合意に基づき、自動車用電池のリパーパスに関する事業化の検討に着手した。「職域向け2次リース」を起点に農業や建築現場、地域内移動などで活躍する各種の電動小型モビリティーに注目し、車体にリパーパス電池を搭載する取り組みの検討や実証などを進める。

 職域向け2次リースは、 自動車の車体を最後まで有効活用するとともに使用済み電池を計画的に回収し、再利用に向けて需給をコントロールする仕組み。このスキームにより、リパーパス電池の安定供給と持続可能なビジネスモデルの構築を目指す。

 近年、電気自動車(EV)市場の拡大に伴い、使用済みリチウムイオン電池の有効活用が循環型経済や資源循環の重要なテーマとしてクローズアップされている。一方、多くの使用済み電池が自動車に搭載されたまま海外中古車市場に流出しており、国内の循環型経済を十分に機能させる対応が求められていた。

 そこで、ヤマハ発が小型モビリティー事業で培った経験と知見を基盤に、使用済み電池の回収と再生で実績を持つリボルテックスと協業し、リパーパス電池の社会実装に取り組む。ヤマハ発は2024年度から経済産業省の実証事業を担うなど、自動車用電池の分析から回収や再生まで幅広い領域で実績を積み重ねてきた。

 自動車などの一次利用製品から取り外した電池の適切なリパーパスは、希少資源の有効活用を促し持続可能な社会づくりに貢献する取り組みとして注目を集めている。