2025.11.13 タムラ製作所の25年4~9月期、売上高・営業利益ともに上期の過去最高更新 米国データセンター市場向けがけん引

 タムラ製作所の2026年3月期第2四半期(25年4~9月)連結決算は2桁の増収営業増益となり、売上高・営業利益ともに上期の過去最高を更新した。米国を中心とするデータセンター(DC)市場向け販売増が業績をけん引した。通期連結業績予想も上方修正した。

 4~9月期の連結業績は、売上高が前年同期比10.9%増の581億8900万円、営業利益が同73.7%増の28億8400万円、経常利益が同46.1%増の25億7500万円、当期純利益が同66.1%減の3億1900万円。純利益は、中国持分法適用会社の持分譲渡に伴う特別損失計上により減益となった。

 セグメント別売上高は、主力の電子部品関連事業は、生成AI(人工知能)関連需要拡大に伴う米国DC市場拡大により、DC用のPDU(電源分配ユニット)やUPS(無停電電源装置)向けを中心とした大型トランス・リアクターの販売が拡大し、同13.2%増と大きく増加。電子化学実装関連事業も、車載用ソルダーペーストやスマートフォン向けソルダーレジストが堅調で、同10.7%増の181億2400万円と伸長した。情報機器関連事業は、放送業界での設備投資抑制が響き、同41.6%減の8億6400万円。

 地域別売り上げは、欧米や中国が大きく増加した。中村充孝社長は「欧米はAIデータセンター関連の増加で好調だった。中国も顧客の在庫調整一巡により回復した。米国関税政策による大きな影響はなかった」と説明した。

 同社は、今後も北米を中心にDC市場向け大型トランス・リアクターなどの需要増加が見込まれるため、通期業績予想を上方修正し、売上高、営業利益、経常利益予想をそれぞれ増額した。AIデータセンター需要は、引き続き堅調な推移を見込んでいる。

 修正後の通期連結業績予想は、売上高が前期比5.2%増の1200億円(前回予想=1120億円)、営業利益が同3.8%減の50億円(同46億円)、経常利益が同13.1%減の44億円(同43億円)、当期純利益が同42.5%減の16億円(同16億円)。