2023.11.27 【はんだ総合特集】市場の要求と対応 5GやEV向けなど製品が多様化

 5G、EVなど時代の潮流は、はんだ業界にも新たな需要をもたらし、同時に市場の要求も多様化している。

 例えば車の電子化、EVの普及に伴う車載用基板には高強度・高耐熱が求められる。また、部品や部材の価格が高騰する中で、はんだに対するコスト要求が厳しくなり、低銀化をはじめコストを引き下げるための組成の見直しといったことが必要になっている。

 鉛(Pb)・ハロゲンフリー環境問題への対応も不可欠。さらにはCO₂削減への取り組みも課題で、はんだ業界としてカーボンニュートラルにいかに貢献すべきかが問われている。

 例えば、EVに用いられる基板は耐候性や耐振動性など高強度が要求されることから、インジウム(In)、コバルト(Co)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)などを添加し、多組成化することで、接合強度を高める新しい製品が登場している。

 車載基板は高い信頼性が要求される。

 特にはんだ付け時に発生しやすい気泡(ボイド)を抑制するために真空リフロー装置ではんだ付けしたり、プリフォームを提案するなども行われている。

 また、ギ酸還元リフローはフラックス残渣(ざんさ)が残らないため、洗浄工程が不要になり、省資源化が図れる。

 基板の高密度化が進み、はんだ紛の微細化も課題の一つとしてはんだ各社が取り組んでいる。