2025.09.19 【電子部品メーカー/商社 ASEAN拠点特集】ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン ヨコオ 26年6月から車載アンテナを生産

ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピンの外観

増田プレジデント増田プレジデント

 ヨコオは、2020年に車載通信機器の生産子会社「ヨコオ・マニュファクチャリング・オブ・ザ・フィリピン」(YMP、増田義孝プレジデント)を設立し、22年4月に現地での生産をスタートした。同工場ではこれまでカーアンテナ用中継コードを生産していたが、今年7月に第2期エリアの工事が完了したことを受け、26年6月から新たに車載用アンテナの生産も開始する予定だ。

 YMPはバターン州ヘルモサ・エコゾーン工業団地に立地。スービック港から車で約30分、クラーク国際空港から車で約50分と利便性に優れる。敷地面積3万6866平方メートル、建築延べ面積1万6050平方メートル。従業員数約1800人。

 ISO9001を取得済みで、ISO14001認証も9月に取得完了を見込む。コスト優位性のある労働力の確保を強みに、第2期建築工事完了を機にアンテナ生産を始め、BCP強化、安定的かつ柔軟なグローバル生産体制を確立する。

 同工場の中継コード生産は操業開始以来、順調に増加し、月平均出荷数量は24年度が約74万台、25年度は約85万台で今後も増える見込みだ。仕向け地は日本と米国が中心となっている。

 アンテナ生産は、26年6月からシャークフィンアンテナの生産を立ち上げ、その半年後にはマイクロアンテナの生産も計画。アンテナ生産数量は26年末に月15万本規模を予定する。

 中継コードは一般的に自動化が難しい工程が大半を占めるが、同工場では稼働開始から3年強が経過してメンバーのスキルアップが進んでいることから、品質を維持しながら生産性を高めるため、可能な工程のみ自動化設備の導入を進めており、前工程の3工程で自動化が完了した。

 また、品質向上や自動化・省人化に向けた技術力向上などのため、ベトナム工場のメンバーとの「技術交流会」を活発化させている。26年には工場への太陽光発電パネル導入も予定する。