2025.10.09 世界初、「IOWN」×「FEEL TECH」でライブビューイング バスケ試合会場の振動共有
万博会場でライブビューイングを楽しむ参加者
NTTグループは4日と5日の2日間、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」とNTTドコモが開発した人の感覚を共有する技術「FEEL TECH(フィールテック)」を組み合わせた未来型ライブビューイングを世界で初めて実施した。当日は、大阪・関西万博の会場に神戸市中央区のアリーナで実施されたバスケットボールの試合をIOWNで伝送。アリーナの振動もリアルタイムで共有することで、臨場感を感じることができるものとなった。
今回のイベントは、万博会場内のフェスティバルステーションとGLION ARENA KOBE(神戸市中央区)で実施。万博会場では、主催した兵庫県による招待客約120人のほか、一般の来場者らが参加。アリーナで行われた神戸ストークスの試合を両会場で観戦した。
当日は、IOWNの大容量、低遅延という特徴を生かし、試合映像や会場の音、振動をリアルタイムで万博会場に伝送。万博会場に設置された大型ビジョンに映像を投影した。
一部の座席は、フィールテック搭載席としてクッション型のデバイスを設置。デバイスを通して、ドリブルやゴール時の振動を感じられるようにした。
フィールテックは、触覚や味覚などの感覚を相手の感じ方に合わせて共有する技術。人によって感じ方が異なるため、感覚の伝え方をパーソナライズ化している。
今回は、アリーナのコート床板下8カ所とゴール2カ所に設置したセンサーでドリブルやゴールの振動を取得。IOWNでクッション型デバイスに振動を伝送した。ボールが床やゴールに当たると参加者にも震えが伝わるようになっている。参加者には、事前に年代を選んでもらうことで、一人一人にあった感覚を共有できるようにした。
NTTドコモモバイルイノベーションテック部ユースケース協創担当の石川博規担当課長は「IOWNと組み合わせることで、映像とのずれによる違和感がなくなった」と手応えを語った。