2025.10.09 4~9月の電機業界、倒産89件 負債100億円以上はJSファンダリなど2社
2025年度上半期(4~9月)の電機業界の倒産は、件数が89件(前年同期比9.1%減)、負債総額は477億7400万円(同228.2%増)だった。民間調査会社の東京商工リサーチの調べで明らかになった。
件数は、年度上半期としては2年ぶりに前年同期を下回った。また、20年度より6年連続で100件を下回っている。
負債総額は、年度上半期としては2年ぶりに前年同期を上回った。7月にJSファンダリ(東京・負債161億7900万円)と片岡製作所(京都・同116億7300万円)の負債100億円以上倒産が2件(前年同期ゼロ)発生し、負債総額を押し上げた。ただ、負債1億円未満の構成比が67.4%(同73.4%)と小規模倒産を主体とした推移が続く。
平均負債額は5億3600万円(前年同期比262.1%増、前年同期1億4800万円)で、前年同期を上回った。
原因別件数では、最多が「販売不振」の54件(前年同期比27.0%減、構成比60.6%)。次いで、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が17件(同30.7%増、同19.1%)、「他社倒産の余波」が9件(同125.0%増、同10.1%)と続く。
業態別件数では、製造が35件(前年同期比20.6%増、構成比39.3%)。販売では、卸売が40件(同20.0%減、同44.9%)、小売が14件(同26.3%減、同15.7%)だった。
負債総額では、製造が369億8300万円(前年同期比441.2%増)。販売では、卸売が102億7200万円(同88.7%増)、小売が5億1,900万円(同77.2%減)だった。
形態別件数では、法的倒産が87件(前年同期比6.4%減)で、構成比は9割超(97.7%)を占めた。このうち、破産81件(前年同期比10.0%減、構成比91.0%)、特別清算5件(同150.0%増、同5.6%)で、消滅型の倒産が86件(構成比96.6%)と大半を占めた。一方、再建型の民事再生法は1件(前年同期1件)にとどまった。
このほか、取引停止処分が2件(同5件)だった。
資本金別件数では、最多が「1000万円以上5000万円未満」の35件(前年同期比12.9%増、構成比39.3%)だった。このほか、「100万円以上500万円未満」が27件(前年同期比30.7%減)、「500万円以上1000万円未満」が14件(同7.6%増)、「5000万円以上1億円未満」が5件(同16.6%減)、「個人企業他」(同33.3%増)と「1億円以上」(同300.0%増)が各4件の順。
負債額別件数では、最多が「1000万円以上5000万円未満」の45件(前年同期比4.2%減、構成比50.5%)だった。次いで、「1億円以上5億円未満」が17件(同5.5%減、同19.1%)、「5000万円以上1億円未満」が15件(同40.0%減、同16.8%)と続く。
負債1億円未満が60件(同16.6%減、同67.4%)発生し、小・零細企業を中心に推移した。
従業員数別件数では、「5人未満」が63件(前年同期比13.6%減)と最多で約7割を占めた。次いで、「5人以上10人未満」が17件(同41.6%増)、「10人以上20人未満」が4件(同33.3%減)、「20人以上50人未満」が3件(同50.0%減)と続く。このほか、「50人以上300人未満」(前年同期1件)と「300人以上」(同ゼロ)が各1件発生した。