2025.11.25 対話型 AI で建物管理を効率化 NTTドコモとNTTファシリティーズが共同実験
NTTドコモとNTTファシリティーズは、 ドコモが独自開発した対話型のAI(人工知能)エージェント技術を建物の維持管理業務で活用し、技術の有効性を評価する共同実験を始めたと発表した。建物ライフサイクル全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目指す。
今回の技術は、建物や構造物の情報を3D(3次元)モデルで一元管理するツール「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング )」に蓄積された建物情報を自然言語で操作できるようにする。両社は実験を進めることで、誰もが直観的にBIMデータを扱える環境を実現。建物の維持管理業務を担う担当者がAIと対話してBIMデータを引き出し、管理業務を効率化できるようにする。
具体的には、NTTファシリティーズが管理するBIMデータと建物の維持管理業務シナリオを用いて、専門家でなくてもチャットによる対話だけで必要な情報を取得・活用できるかを検証する。例えば、施設の管理者がAIに「A棟3階の空調フィルターの交換履歴を教えて」「耐用年数が近い設備をリストアップして」といった質問を投げかけ、その応答精度や操作性などについて評価。得られた結果を、システム性能の改善や機能の強化に反映していく。
両社は、実験を通じて得られる知見をもとに技術をさらに高度化させ、建設・不動産業界をはじめとするさまざまな領域で技術の社会実装を促すことを狙う。
BIMは建設業界のDXを促すツールとして期待されている。近年では、BIMデータを建物の維持管理業務の効率化や計画的な設備投資につなげるなど、建物のライフサイクル全体を最適化する動きが広がっている。ただ、BIMデータの操作では、専用ソフトの導入や専門的な知識が求められ、維持管理の現場で導入が進みにくいという課題があった。










