2026.01.26 【電子計測器総合特集】横河計測・鈴木俊之社長 AIデータセンターなど 成長分野の測定ニーズに即応

 横河計測は2026年も、引き続きAI(人工知能)向けデータセンターなどの成長分野の開拓に力を入れていく。光の波長分布を高精度に測定する光スペクトラムアナライザーや、電力の変換効率や損失を測るパワーアナライザーといった成長事業の拡大を目指す。

 24年まで堅調だった太陽光発電や電気自動車(EV)関連への投資が一服する一方、25年は高性能演算を支えるAIデータセンターへの投資が伸長した。鈴木俊之社長は、サーバーや電源装置を手がける電子機器メーカーに照準を定めた営業戦略の展開に注力。需要増に対応するため、工場の生産設備も増強したという。

 新製品では、光スペクトラムアナライザーのハーフサイズモデルが、測定スピードを向上させたことで量産評価向け市場に適合し、採用が拡大した。国内では、電機メーカーや自動車メーカーによる研究開発投資も活況で、高速信号の波形を観測するオシロスコープやパワーアナライザーも堅調に推移した。

 同社は、中期経営計画で掲げる「ものからことへ」のスローガンのもと、製品単体の販売から計測システム全体の提供へと事業モデルを進化。システムラックに収まりやすい高速データ収集装置の高速ロガー「SL2000」を発売した。「測定器の前で作業する」という前提を改め、ラックに組み込んだ状態での運用を実現。測定後のシステム構築や立ち上げまでを一括で請け負う「ターンキーソリューション」として提供する。こうした取り組みは韓国を中心に進めてきたが、今後は中国やインドでも展開する。顧客を直接訪問し、現場の課題を把握した上で、最適なソリューションを提案していく。

 また、ウェルビーイング(心身の健康と幸福)分野では、光通信で用いられる近赤外光より波長の長い中赤外光を用いたコスメティック向け測定器の需要などが好調で、高機能の光スペクトラムアナライザーの受注が増加した。鈴木社長は「EVからAIデータセンターへと投資の流行が変わる中、その兆しを見逃さず、活況な市場に素早く対応できたことが業績拡大につながった」とした上で、「市場変化への即応力を今後さらに強化していく」と抱負を述べた。