2024.02.21 「原材料費だけじゃない」 価格が上がるミラーレス キヤノンのカメラ事業トップが語る理由とは
キヤノンのミラーレスカメラやレンズなど
ミラーレスが市場を支えるカメラ業界。高級機人気と合わせて、製品単価はさらに上がりつつある。価格上昇は原材料費の高騰も背景にあるが、それだけではないようだ。キヤノンでカメラ事業を率いる戸倉剛専務執行役員イメージコミュニケーション事業本部長に、今後の一眼レフの位置づけと合わせて聞いた。
―ミラーレスの高価格化が進んでいます。
戸倉専務 原材料費の高騰が大きい半面、性能や画質などに関し、ミラーレスはこれまでよりも一段レベルを上げている。見えにくいところではあるが、生産技術も上がっており、そうしたことが生産面でのコストアップにつながっている。性能、生産などにコストがかかるようになっていることもあり、価格が上がっている面はある。
―一眼レフの位置づけは今後、どうなっていきますか。
戸倉専務 ミラーレスより機能的に優れているということは、今ではなくなった。世界的にミラーレスへのシフトは止まらないが、一眼レフも減り方が鈍化してきている。ユーザーにも好みがあり、一眼レフを支持するユーザーも一定数いるということだ。
特に海外市場で一眼レフのエントリーモデルが売れている。日本では販売していないが、中東やアフリカなどで展開している。こうした地域もいずれはミラーレスに切り替わると思うが、まだ時間はかかる。