2020.04.21 【電源用部品/ノイズ対策部品特集】ノイズ対策部品の動向
産業機器分野ではパワーラインノイズフィルタの必要性が高まる
5Gサービス開始で一層重要性高まる
ノイズ対策技術の重要性が一段と高まっている。ノイズを出さない製品、ノイズに耐えられる製品の開発が定着。次世代高速通信規格5Gのサービス開始に伴い、ノイズ対策の関連事業が具体的に動きだした。
5Gは高周波数帯を使用するため、マテリアルの高周波対応が必要になる。ノイズ対策部品は、高周波化に伴って小型化した上、高周波帯域での効果的な減衰量を確保することが重要となる。
5Gは専用端末だけにとどまらず、自動車、製造装置など、あらゆる産業に波及することから、超小型から大型まで様々なノイズ対策部品が必要になる。部品各社では新製品開発に加速をつける。
自動車はECUの搭載点数が増加し、機器間を接続するためのインターフェイスにおけるノイズ対策は必要不可欠。また、ADASでは、カメラ、レーダーなどの誤動作は許されない。EVなどの環境対応車のモーター駆動系も強固な対策が求められている。
産業分野はモーター駆動、インバータの普及などによって、ノイズ対策の重要性が一段と高まっている。そこでコモンモードチョークコイルの搭載が広がっている。
コモンモードチョークコイルは、小型で高減衰量を得るためにコアとして使用されるフェライト材質の高性能化が進展する。
太陽光発電ではパワーコンディショナ(パワコン)が用いられる。ノイズフィルタはこのパワコンを挟んで、発電パネル側のDC側ノイズフィルタ、系統(負荷)側のAC側ノイズフィルタが用いられる。
一般的には、コイルなどで対策を施すが、高性能化するために、LC構成の箱型パワーラインノイズフィルタを用いる。大電流対応、高減衰特性で小型化を追求する。
スマホは、小さなボディーに多くの機能が搭載されるようになり、隣接部品間の電波干渉の対策を施すことが重要。しかもマルチバンド化するために利用周波数が複数化することから、より高度な対策が必要になる。
スマホでノイズ対策として一般的に利用されているのが、フェライトチップビーズ。既に0402サイズまで量産化されている。LCフィルタは、積層、薄膜タイプなどが高速差動伝送ラインの対策に用いられている。
5Gではノイズ抑制シートが注目されている。この製品は、ICのパッケージ表面やコネクタ、FPCなど、ノイズの発生源や伝搬路に貼るだけで、効果的にノイズを抑制する。既に5G対応の高周波帯域用の製品も開発された。