2024.05.22 「ポスト万博」の空飛ぶクルマ 鉄道・バスとの連携が鍵 三菱総研が展望
「空飛ぶクルマ」のイメージ(米ジョビー・アビエイション)
来年の大阪・関西万博で実証実験が予定されている「空飛ぶクルマ」。都市交通の未来を変える可能性を秘めた革新的なこの技術が万博後、どのように社会実装されていくのか――。三菱総合研究所が22日、記者説明会を開き「ポスト万博」を展望し、鉄道やバスなど地域公共交通機関の参入による「空と地上の連携確保」が鍵を握ると指摘した。
説明会では、三菱総研モビリティ・通信事業本部・次世代テクノロジーグループリーダーの大木孝主席研究員が、ポスト万博のビジネスチャンスと社会実装のポイントについて持論を展開。ビジネスチャンスが生まれる領域として「運航・サービス」「機体・装備品」「離着陸場」の3分野を挙げた。
運航・サービスでは「空飛ぶクルマの運航は航空事業者が担うが、鉄道やバスといった地域公共交通機関の参入が重要になる」と指摘。機体・装備品関連では、どのデザインが今後の主流になってくるかを見定めながら、動力や装備品などへの参入が進むと予見した。
空飛ぶクルマ専用の離着陸場(バーディポート)関連では、従来の航空機は航空会社が行ってきたが、グランドハンドリングやバッテリー交換設備の自動化、標準化が鍵を握ると述べた。
その上で「交通計画上の空飛ぶクルマの位置付けや、自治体による土地利用計画にバーディポートをどう盛り込むかといった都市計画との連携が今後のポイント。地域の公共交通機関を巻き込んで都市計画目線での地域実証事業が求められる」と締めくくった。
(23日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)