2025.01.16 日本のスタートアップが開発した「家具型」AIロボット、CESで注目を集める

汎用型AIロボット「Mi-Mo」をアピールするJizai代表の石川佑樹さん

多くの来場者の関心を集めた「Mi-Mo」の展示ブースの様子多くの来場者の関心を集めた「Mi-Mo」の展示ブースの様子

 1月7日から10日まで米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」。日本のスタートアップ企業が並ぶコーナーで、ひときわ多くの人を集めているブースがあった。

 木製の円形テーブルと電気スタンドが合体したようなロボットが、ユーモラスに動いている。東京都文京区の新興企業Jizaiが開発した「Mi-Mo(ミーモ)」の初号機だ。

カスタマイズできる「汎用型」AIロボット

「Mi-Moは、汎用型のAI(人工知能)ロボット。自ら考え、動き、適応する」(Jizai代表の石川佑樹さん)

 Mi-Moは、複数のAIモデルの連携によって動いている。そして、AIモデルの組み合わせを工夫することで、Mi-Moの動きを自由に変えられる。今後は、ロボットの手や胴体などのパーツもカスタマイズできるようにして、開発者が独自のAIロボットを作り出せるようにする。

 そのための開発者向けキットをリリースする予定だ。石川さんは、Mi-Moの狙いについて、次のように語る。

 「今年から来年にかけて、ソフトウエアのエンジニアでハードウエアの開発をやりたいという方が増えてくるとみている。ソフトウエアのプログラミングとハードウエアのプログラミングは違う部分があるので、その橋渡しをしていきたい」

「ピクサーのランプ」に似たユニークな姿

 展示ブースでは、Mi-Moのユニークな姿にも注目が集まった。米国メディア「Mashable」の記者は、ピクサー・アニメーション・スタジオのランプの形をキャラクター(ルクソーJr.)に似ていると指摘した。

 「高級家具のように家に置いてもらうことを想定している。子どもの一人遊びの相手などに活用できるのではないかと考えている」(石川さん)

 石川さんはメルカリの生成AI担当執行役員などを経て、昨年7月、Jizaiを創業したばかりだ。先端技術の社会実装をコンセプトにかかげ、生成AIのプロダクト開発やコンサルティングと並行して、汎用型AIロボットの開発を進めている。

 Mi-Moは、その初めてのロボット。CESに出展した狙いについて、石川さんは「ロボットのようなハードウエアは言語の壁がないので、海外でも通用する可能性がある。Mi-Moもできれば海外で売っていきたい」と抱負を口にしていた。