2025.10.09 電機業界、9月の倒産 太陽光パネル販売事業者など

 ソーラークリーニング(東京都八王子市、設立2011年9月、資本金1200万円、水野克己社長)は破産。負債総額は約23億9900万円。

 産業用太陽光パネルの販売や保守のほか、ドローンを活用したパネル点検、データ解析、太陽光投資コンサルティングなどを手掛け、19年3月期には売上高約53億円を上げていた。しかし、その後は新型コロナウイルス感染拡大の影響から営業活動が停滞し、22年3月期の売上高は約4億5100万円まで落ち込み、赤字決算を余儀なくされた。一方で、取引先と複数の訴訟を抱えるなどトラブルが表面化していた。

 コロナ禍以降も業況は改善しないなか、資金面の立て直しのめどが立たず、今回の措置となった。

 アマミ(堺市北区、設立2000年9月、資本金9700万円、代表清算人:竹匠氏)は9月4日、特別清算。負債総額は推定10億円。

 電線ケーブルの電材やエアコンなどの空調機器の卸売を手掛け、堺市や東大阪市を営業基盤として展開していた。学校の空調案件やインバウンド需要の恩恵を受けた飲食店リニューアル工事などで多くの受注を得て、20年2月期には売上高37億3832万円を計上した。

 しかし、コロナ禍により業況が一変。商材が著しい値崩れを起こしたほか、展示会の中止なども相次ぎ、21年2月期には売上高34億8474万円に対し、4億397万円の最終赤字を計上し、資金繰りが悪化した。

 大阪府中小企業再生支援協議会(現:大阪府中小企業活性化協議会)の支援を得て、金融債務の返済をリスケジュールするなどして対応していたが、21年7月には得意先であった土方電工が経営破たんし、数億円の不良債権を抱えることとなり、経営危機はさらに深刻化した。

 金融機関と協議しつつ、リストラなどを進めて再建を模索していたものの、この間のデューデリジェンスなどにより決算に粉飾が発覚。こうした結果、22年2月期は売上高15億2442万円と大幅に低下。不良債権処理に加え、多額の過年度損益修正損により12億6303万円の最終赤字となり、大幅な債務超過に転落した。

 以降、業容を縮小しつつスポンサーを探索していたところ24年7月、一部事業を第三者に譲渡。その後、債務整理を進め25年2月28日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。