2025.11.11 飯田会長「ファブレスの立場に近づく」 飯田通商が創立60周年記念式典 次の60年へ新IC・部品の提案強化

盛会となった飯田通商の創立60周年記念式典=10日、東京都内

 エレクトロニクス商社の飯田通商は10日、東京都内で創立60周年記念式典を開催した。多くの参加者でにぎわう会場で取材に応じた飯田和信取締役会長 CEOは、次の60年へ向けた考えとして「過去の延長線上を進んではビジネスは伸びない」とした。

 日本国内で今後伸びを見込む市場として医療、電気自動車、ロボティクス、さらに末端の機器で動作する人工知能(AI)、エッジAIの普及などにより変化するスマートフォンを挙げた。各分野に対し、仕入れ先であるメーカーに新たな集積回路(IC)をはじめ多様な電子部品を提案し、開発、製造してもらう取り組みを強化する。その上で、飯田会長は「(工場での生産を外部に委ね製品の設計開発のみを行う)ファブレスメーカーの立場に近づかねばならない」と強調した。当面、社内でエンジニア数の拡大は考えていないが、将来的にはエンジニアは重要とした。

 山﨑隆博代表取締役社長も次の60年への布石として、ヒロセ電機をはじめ、新たな仕入先であるソニーセミコンダクタソリューションズや、関係を深めるロームの名前を挙げ、各メーカーとのつながりを生かし事業強化を図る考えを示した。

 海外展開については、インドなどいくつかの注力市場を取り上げた。特に電子産業の急伸するインドは関連の展示会「エレクトロニカ・インディア」と「プロダクトロニカ・インディア」を2026年から年2回に拡大。北部ウッタル・プラデーシュ州にありデリー首都圏を構成するグレーター・ノイダで4月、南部カルナータカ州ベンガルールで9月と、場所も時期も離れているが「出展するメーカーが異なる」としてどちらにも参加する考えだ。