2025.11.18 NTTグループが関西合同防災訓練 関係機関との連携確認

移動基地局車を設営した

陸上自衛隊から通信機材を受け取る様子陸上自衛隊から通信機材を受け取る様子

 NTT西日本とNTTドコモグループは、近畿圏臨海防災センター(堺市堺区)で関西合同防災訓練を実施した。来賓を含め約350人が参加。NTT西とNTTドコモグループの職員や関連企業が支援物資の運搬や通信普及に必要な機器の設営などを行い、災害時の関係機関との連携を確認した。

 訓練は、南海トラフ地震や台風、集中豪雨などの災害時に、関連企業や機関が連携し、応急復旧やユーザー支援が迅速に行えるよう備えるのが狙い。特に重要とされる初動を中心に訓練を通して連携を強化していく。訓練は、2015年に初めて行い、今回は11回目。今回は、和歌山県の紀伊半島沖で南海トラフ地震が発生した想定。陸上自衛隊や日本赤十字社、関西広域連合などが参加した。

 訓練の冒頭、NTTドコモの根本浩二関西支社長は「自治体や自衛隊をはじめとした多岐にわたる関係機関との連携があってこそ、地域の安全、安心を支える通信ネットワークの早急な普及が可能となる。訓練を各機関の協力を強固にする機会とし、災害に向けて備えていきたい」と話した。

 地震発生後、倒木で道路が寸断されたことを想定し、木をよけてから車両が入り、移動基地局車やポータブル衛星装置の設営や光通信ケーブルの復旧作業、臨時拠点の開設などを行った。陸上自衛隊のヘリコプターが通信機材を現地に運び、NTTドコモなどと連携する訓練も実施した。

 移動基地局車は、大阪・関西万博でも使用した高速通信規格5G対応のものを含め3台用意。NTTドコモ関西支社、東海支社、北陸支社が設営し、能登半島地震でも給油を行った大同井本エナジー(大阪市大正区)が給油支援を行った。

 今回は、22年にNTTドコモ関西支社と「災害時における通信の確保のための相互協力に関する協定」を締結したオークワ(和歌山市)も初めて参加。関西と東海でスーパーマーケットを運営しており、災害時の食料や日用品などの支援物資の供給や敷地の提供などで連携していく。会場では、災害時に物資の保管や作業員の待機場所となる臨時現地拠点への支援物資の運搬を行った。

 訓練終了後、NTT西の鶴田祐司関西支店長は「災害時は、マニュアル通りにいかないこともある。本日得られた気づきや連携の成果を基に災害対策に取り組んでいきたい」と総評した。