2025.11.20 JX金属、佐賀関の大火災被災者を支援 精錬所が立地、社宅や寮など住宅提供

 非鉄金属大手のJX金属は、大分市の佐賀関地域で18日に発生した大規模火災の被災者を支援している。この地域で同社グループの佐賀関製錬所が100年以上操業していることから、火災発生直後から生活必要品支援などの緊急対応を行っているほか、被災者への食事や社宅、寮などの住居提供を準備。復旧活動を支援するため従業員の派遣も検討する。復旧、復興に役立つ金銭的な支援も実施する方針で、大分市などと協議する。

 同社傘下のJX金属精錬が持つ佐賀関製錬所は銅鉱石と使用済み家電製品、電子機器などのリサイクル原料を組み合わせ、鉱石の酸化反応熱を生かし化石燃料の使用を抑える「グリーンハイブリッド製錬」で高純度の銅地金を生産する。副産物として貴金属、レアメタル、硫酸も生産し、半導体材料などに利用する。世界で銅をはじめ金属資源の争奪が激しくなる中、いわゆる都市鉱山からの資源回収に注力するJX金属グループにとり重要な拠点だ。

 事業面に加え、同地域の住民に向けた「納涼祭」などの開催や地元祭事への従業員の参加などで以前から関わりも深い。同社は今回の取り組みは、これまで地域住民からの支えに報いるものとしている。