2025.11.22 白物家電の国内出荷、10月は5%増 エアコンが残暑で過去最高

記者会見に臨むJEMAの漆間会長記者会見に臨むJEMAの漆間会長

 日本電機工業会(JEMA)が発表した10月の白物家電の国内出荷金額は、前年同月比5.2%増の1833億円となった。2カ月連続で前年同月比プラスだった。中でもルームエアコンは、残暑が続いたことを背景に10月単月としては過去最高の同2.5%増の448億円に達した。

 JEMAが20日発表した10月の出荷実績によると、ルームエアコンの出荷台数も単月として過去最高となる同7.9%増の47万3000台に達し、2ヵ月連続のプラスだった。ルームエアコンは4~10月の累計をみても堅調で、出荷額が前年同期比9.3%増の5953億円となった。

 10月の出荷額では、空気清浄機やジャー炊飯器、電気シェーバーなども好調で、いずれも前年同月比で2桁増を記録。一方、冷蔵庫が同3.9%減の280億円、洗濯機が同0.7%減の273億円となり、ともに2カ月ぶりのマイナスとなった。

 さらに出荷台数をみると、掃除機が同3.1%増の40万3000台となり、3カ月連続のプラス。電子レンジが同0.2%増の22万6000台となった。IHクッキングヒーター(電磁調理器)は、同1%減の5万6000台だった。

 2025年度下期の動向についてJEMAは、物価高騰による耐久消費財の買い控え傾向は継続すると予測。冬の寒さが全国的にほぼ平年並みと⾒込まれる中、「夏場に好調だったエアコンの反動減も想定されるため、国内出荷は前年を下回る」との⾒通しも示した。上期にインバウンド(訪日外国人)の増加により好調だった空気清浄機や電気シェーバーについては、「引き続き需要拡⼤が⾒込まれる」としている。

 また、JEMAの漆間啓会長は同日の記者会見で、政府が4日に開いた「日本成長戦略本部」(本部長・高市早苗首相)の初会合で17分野に重点投資する方針を表明したことに言及。「それらを強化しようとすると電機メーカーであるJEMA会員各社は、自社で取り組んでいることによって貢献することができるのではないか」との認識を示した。