2023.01.18 【情報通信総合特集】ICT業界 技術の新潮流に挑む勝負の年に

業務高度化、新規ビジネス創出へDX加速
Web3.0、メタバース活発化、AI・量子の開発も焦点

 日本の情報通信技術(ICT)業界にとって2023年は、新たなインターネットの概念「Web3.0(ウェブスリー)」に代表される技術の新潮流を成長機会の拡大につなげる可能性を探る勝負の年となる。進化する多彩なデジタル技術を企業や社会の成長力につなげるICT各社の力量が試されそうだ。

 4年目に突入した新型コロナウイルスとの闘い。コロナ禍で官民に突き付けられた変容の一つが、デジタルトランスフォーメーション(DX)だ。今年は、その変革期を業務の高度化や新規ビジネスの創出につなげる取り組みが加速しそうだ。

 中でも各社が有望視している成長分野が、人工知能(AI)。既に各社は、AIを製造業から医療に至る幅広い用途に応用する取り組みに力を入れている。第5世代移動通信規格5Gをエリア限定で利用する「ローカル5G」も社会実装を促す段階に入り、多くの企業や自治体がローカル5Gの実用化に向けた実証実験で有用性を実証している。

 さらに中長期的な視野で、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を基盤とするWeb3.0やネット上の仮想空間「メタバース」の可能性を探索する動きも活発化。自国の競争力や経済安全保障に直結する高速計算機などの「量子技術」の用途開発にも焦点が当たりそうだ。DXの波が大きくなる中、サイバー攻撃の脅威に備えるセキュリティー対策やシステムを支えるサポートサービスの役割も一段と増しそうだ。