2020.02.18 【オフィスソリューション特集】産業印刷 大きく広がる市場

サイン&ディスプレイ市場に向けて大判プリンタの新製品投入も相次ぐ

布へのプリントなどテキスタイル市場の広がりが進む布へのプリントなどテキスタイル市場の広がりが進む

 プリンティング市場は、サイン市場やテキスタイル市場へ大きく広がりを見せている。

 大判プリンタでは、業界団体のビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)が、大判インクジェットプリンター部会を発足させた。同部会には現在、キヤノン、コニカミノルタ、セイコーエプソン、リコー、OKI、ブラザー工業の各社が参加、業界挙げて市場づくりに乗りだしている。

新たなニーズ生む

 大判プリンタは、CAD用途やグラフィック用途で根強い需要があるが、デジタル化の流れが建築や土木、製造現場で新たなニーズが生まれている。

 サーマル技術やインクジェット技術を活用したテキスタイル、ラベル印刷などの産業印刷分野が、新たな成長分野として期待されている。

 リコーは、欧州市場向け感熱紙の欧州サーマル事業強化を図る。新たに約30億円を投資し、フランスの生産拠点「リコー インダストリー フランス」のコーター(塗布工程を行う設備)の生産能力を2倍に増強、20年7月から増産開始する。

 セイコーエプソンは、デジタル捺染ビジネスのグローバル展開を加速することを目的に、デジタル捺染の前処理から印刷、後処理までの全工程の設備を備えたテキスタイル・ソリューションセンター「TSCアジア」を、富士見事業所(長野県富士見町)に開設している。

 同社は、イタリアのコモ地域にテキスタイル・ソリューションセンターを設立するなど、デジタル捺染事業のグローバル戦略も強化している。

 OKIデータは、世界初の幅狭カラーLEDラベルプリンタを発売、産業印刷市場向けの戦略を強化している。国内の食品、飲料、物流業界をターゲットに販売を強化。同社では独自のLED技術を生かし、インダストリ戦略を強化している。

ラッピング市場

 産業印刷市場はラベルやパッケージへの印刷だけでなく、樹脂、布、壁紙、タイルなどへの印刷、大型の宣伝ポスター、近年では自動車、バス、電車などへのラッピング用途へも広がっている。

【オフィスソリューション特集】目次

クラウドなどと連携し付加価値提案を強化
MPSサービス より高付加価値を提供へ
働き方改革 ITが不可欠 複合機の活用に注目
商業印刷 進むデジタル化
●産業印刷 大きく広がる市場
リコー〝EDW〟を打ち出す 顧客の困りごと解決を図る
富士ゼロックス「ApeosPort-Ⅶ C」シリーズ 低速機など品揃えを拡充
コニカミノルタ A3カラー複合機品揃え強化
セイコーエプソン 複合機市場に本格参入
東芝テック「e-STUDIOシリーズ」が好評、働き方改革をサポート
京セラドキュメントソリューションズ 事業の可能性を引き出す新しいブランディング活動
ブラザー販売  ITソリューション提案に力を注ぐ、印刷需要の高い業種に特化
理想科学工業 世界最速のカラープリンタが国内外で高評価を得る